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2005年09月29日

ガットーによるジャグリング講座

ガットーがジャグリングのコツを教える動画を次々と公開しています。http://homepage.mac.com/anthonygatto/FileSharing4.html

どんどんお茶目な側面も見せていて、ガットーも結構ふつうの人だなって印象です。ボールの握り方講座では、片手で5ボールまでの持ち方をカメラに向かってレクチャーして、最後に「じゃあ、諸君、次回までに10ボールをやっとくように」とか言っちゃうのが笑えます。

見てて気づいたこと。

そのほか、5クラブバッククロスで、スローが乱れてドロップする場面が1度だけありました。やや驚き。見ていて、「この人は何を投げても落とさないんだ」と思っていた矢先だったので意外な感じが。照れ笑いでごまかすのも、なんかふつうっぽくて意外。

そういえば、見たことがない人もいるかもしれないので、ガットーのおもしろいビデオのリンクをひとつ。The Anthony Gatto Drop Montage(約16MB)は、ガットーが落としまくるビデオです。ルーク・バラージのサイトにある何年も前のBJCのナンバーズ競技会か何かの模様だと思いますが、ガットーはボールもクラブもリングも落としまくります。12リングで失敗すると、雨のようにリングが降ってくるんだなってことがよくわかります。

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2005年09月28日

JAPANdemonium

IJAの会報誌、JUGGLEマガジンの最新号が届きました。表紙には桔梗兄弟、信玄餅くん、矢部さん、カレー君が並んでいます。黒い表紙に日本列島のシルエットが、やや不気味な輝きを放ちつつ浮かび上がっています。列島のシルエット横には「JAPANdemonium」(日本旋風)と書かれています。

本ページには、IJAレポート(といっても写真ばかり)とは別記事で日本人の活躍ぶりに関する記事が2ページで掲載されています。本戦出場者の紹介やコメントのほか、竜半さんや、リングの小林さんたちのコメントも紹介されています。IJAを楽しんでいるなーというコメントが多いです。ちなみに記事のタイトルは「The Asian Invasion(アジアからの侵入)」となっています。

余談ですが、JAPANdemoniumという見出しは、ちょっと凝っています。demoniumという単語は存在しません。Japanの-panが、pandemoniumという別の単語にかけられています。pandemoniumは、辞書には「伏魔殿、大混乱」など訳語が載っています。pan-は、万とか汎と音も意味も似ていて、「あらゆる」「たくさんの」「どこにでも」といった意味の接頭語です。demoniumは、demon(悪魔)のことです。Japanの最後のpanと引っかけて、Japandemoniumという造語をしています。そこには「日本からすごい奴らが大挙してやってきた」というニュアンスが込められています。ただ、demonは悪魔ですが、pandemoniumには、そこまでネガティブなニュアンスはなくて、「大混乱」とか「阿鼻叫喚」といった程度の意味で使われることが多いように思います。日本語でも阿鼻叫喚といえば本来は八大地獄のはずが、日常語では「大騒ぎ」という意味でレトリカルに使われているのと似たような事情だと思います。

jugglemag.jpg

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2005年09月27日

1up4up→5カスケード

少しだけといいながら、ここ数日は連日練習しているジャグリングバカです。まだ肩は完全には上がりませんが、痛みは無事に喉元を過ぎたようです。やばいです。健康を損なうことを恐れる気持ちを持つことこそ、最大の健康法であると、貝原益軒が養生訓に書いていました。うーむ。

それはともかく、1up4upが思ったよりも難しいです。片手で40[44]0を練習した感じでは、もう少し単純なものだと想像してましたが、両手だと5、6ラウンドでドロップしてしまいます。1up4upというのは珍しく「キャッチが難しい」ジャグリングパターンですね。でも、1up4upから5ボールカスケードに戻るというのを試してみたら、2度ほど成功しました。ちょっと楽しいです。([4x4x],[4x4x])とでも書くのでしょうか、4upをクロスさせるやつも、やってみたら自分でもビックリするほどキレイに投げれて、それも楽しげです。

5ボールカスケードがいい感じ。最高で140キャッチ、調子よく行くときで100キャッチ前後という感じで楽に投げれました。

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2005年09月26日

微妙に練習再開のような

少しだけ練習。5ボールで100キャッチ超えが何度か出て、自己記録に迫る144キャッチまで行けた。2ヶ月経って進歩こそしてないものの、さほど衰えてもいないらしい。少し投げるだけで右腕が疲れるので、徐々に徐々に。おそるおそる。

久しぶりに握ったクラブで左手の2in1が10→29キャッチと伸びた。練習した覚えがないので、伸びたというか伸びていたという感じ。たぶんボールの3in1に感じが似ているからだと思う。

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2005年09月25日

意外に腕は落ちず

アングルによっては、まだまだイヤな痛みが走るものの、肩より低い位置で腕を動かす分には、特に問題なさそうな感じになってきました。おそるおそる、左手の4ボールのシャワーなど練習してみています。無理しない限りフィードの動きはほとんど負担にならないようです。手首だけですし。逆にミルズメスなどは非常に非常にキケンな感じがします。

左手の4ボールシャワーで55→88キャッチと伸びました。3in1が効いてるのかもしれません。で、実は3や5のスローもインナースローである限り、割とできてしまうようなので、すごーく久しぶりに5ボールも投げてみました。5ボールは、いちばん心配していたところですが、意外なことに、いきなり50~60キャッチは続いて、少しやっただけで80~90キャッチぐらいまで投げられました。全体に投げるのにすごく余裕があります。何をやればよいか、どう投げればよいかという感触自体は、むしろ練習を中断した2ヶ月前より良くわかる気がするのが不思議です。左手強化がホントに効いてるのかもしれません。無理に脇を締めて投げている右側のボールがフラフラで、軌道が低くなりがちです。でも、右肩が治りさえすれば、すいっと記録が伸びそうな予感すら感じました。予感が裏切られないことを祈りつつ、まだしばらくは肩を休めようと思っています。

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2005年09月22日

「のり」の計算方法は?

サイトスワップの状態遷移図とにらめっこしたり、サイトスワップ方程式をいじくったりしてみました。もやもやしていたところが、にしのさんの論文やよしのさんの解説で、だいぶスッキリしました。

いままで状態(数)というのは、与えられたサイトスワップについて一意に決まり、周期的なサイトスワップについては投げている間じゅう変わらないものだと誤解していました。333-4-51と投げるとき、333をグランドステート、4をトランジションと呼ぶのだから、当然51も何らかのステートなのだろうと思っていたわけです。でも、2進法で1011とか10進法で11とか書くのは、あくまでも51と投げた直後のステートであって、「3シャワーのステート」が1011なわけではないのですね。1の直後は1011で5の直後は10101と、3シャワーのステートは、正しくは1011と10101のふたつを行ったり来たりしているという。わかってみれば、当たり前のことでも、なぜかそこをずっとカンチガイしていました。

状態遷移図を眺めていると、むしろ、すべての可能なスローはトランジションであって、自分自身のステートに戻ってくるスローが例外的に存在しているという感じです。人間ジャグラーは、ほとんどの時間をグランドステートに費やしているために、このへんは、ずいぶん実感とは異なりますが。

ところで、サイトスワップ方程式は肝心の「のり」の計算方法がよくわかりませんでした。検算はできますが、任意のステート間をつなぐ「のり」は計算できるのでしょうか。実用上は、実力にあわせて主立ったものを覚えるという対応で十分かもしれませんし、そうでなくても手作業でグラフや表を探す、既存のソフトに頼るなどの方法はありますが。

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2005年09月21日

ジャグリング可能な双子素数は存在するか

先日、9の6乗(3の12乗)を計算すると「531441」となって、偶然にも3ボールで有名なサイトスワップが2つ並ぶ形になっているのに驚きました。別にヒマで死にそうだから電卓を叩いていたというわけではありません。LISPという、ややマニアックなプログラム言語のサンプルとして実行していたコードを変形しているうちに、そんな値が出てきたというだけです。

で、習作のつもりで、いろいろと計算してみました。LISPの世界ではC言語で言う、isalphaのような文字検査関数のようなものは、alpha-pとかalphapと書く習慣になっています。zeroかどうかなら、zeropです。(zerop 0)は真を、(zerop 1)は偽を返します。なので、今回作った関数はjugglepです。(jugglep '(5 3 1))は真を返します。

ちなみに、LISPでは真偽値は0、1として表現されますが、それを示すシンボルとしては、trueやfalseといった他言語によくある英単語ではなく、謎めいたt、nilという文字列を使います。(zerop 0)はtを返します。LISPerの間で有名なジョークに、「coffeep?」という問いかけで始まるものがあります。coffeepは、「コーヒー飲む?」という意味に解釈されます。これに対して「うん」と答えようと思ったLISPerは「t(ティー)」と言ってしまう。LISPerは永遠にコーヒーが飲めず紅茶ばかり飲むことになる、というものです。

と、そんな冗談はさておき。ジャグリング可能な数字として、まず階乗を調べました。n! (n < 100)です。6!=720が最大のジャグリング可能な階乗でした。自明のものしか出てこなくて、ややガッカリですが、よく考えると、これは当たり前です。階乗は数字が大きくなるにつれ、下の桁にどんどんゼロが蓄積していくのでした。たとえば、50!=30414093201713378043612608166064768844377641568960512000000000000です。約数に5が含まれる数字をかけるたびにゼロが増えるので、こうなります。1000!は2560桁の数字になりますが、下248桁はゼロ行進です。

次にn^a(n<100,a<10)です。3^6=729や4^3=64といったシンプルなものをのぞくと、19^3=6859(7ボール)、96^3=884736(6ボール)といったものが出てきました。nとaを少しずつ大きくして、もう少し広い範囲で調べてみると、133^3=2352637(4ボール)、138^4=362673936(5ボール)、534^3=152273304(3ボール)、717^3=368601813(4ボール)などが見つかりました。どれも、3^12=531441のインパクトには、遙かに及びません。残念。

素数も調べてみました。10万以下の素数でジャグリング可能な数字は431個ありました。しかし、どれも取り立てておもしろくありません。53089、53147、53197、53453、53507、53633……、97423、97441、97577、97847、97883、97973、99089、99133などとなっています。

数字の並びをみていて、ふと双子素数はどうかなと思いました。双子素数というのは、p、p+2の形の素数で(17,19)、(41,43)など隣り合う奇数が両方素数という組みのことです。素数というのは簡単な証明で無限にあることがわかりますが、双子素数のほうは無限に存在するかどうかわかっていません。小学生にも問題の意味がわかるのに、肯定的にも否定的にも証明されていない未解決の難問です。そんなわけで、何となくジャグリング可能な双子素数探しというのは、楽しげな響きだと思ったのでした。

もう気づいている方もいるかもしれませんが、ジャグリング可能な最大の双子素数は、(71,73)で、3桁以上では存在しません……。双子素数は各桁の合計の差が当然2です。ボールの数と周期には、「(ボールの数)=(サイトスワップの合計値)÷(周期)」という関係がありますから、ボールの数が双方で1個違うようなn,n+2というのは3桁以上ではありえません。双子素数(41,43)を4143のように連続した数字に見立てても無理です。


それにしてもLISPは簡単に書けて楽しい。試行錯誤の計算に適した電卓のようです。調子に乗って状態数や状態間の遷移を計算するサイトスワップ方程式も、関数にしてしまいたくなってきました。と、サイトスワップの原理をわかったような口調で書いていますが、実は今回改めてサイトスワップを勉強したのでした。にしのさんの論文(「ジャグリングの連続技生成」(情報処理学会ゲーム情報学研究報告 2002-GI-7, pp. 17--23))が、とてもわかりやすくて勉強になりました。日本のジャグリング界では、サイトスワップの数理的側面の探求は一通り終わってしまったように見受けられますが、周回遅れでやってきたぼくには、とてもおもしろいです。サイトスワップは置換群を成していたのか! って、どういう意味ですか?(何

いろいろ試した関数のリストをアップしておきます。興味のある人は是非どうぞ。処理系はxyzzyというエディタを使いました。CommonLispの仕様をかなり満たしているらしいですが、よく知りません。ほかのCLISPな環境で動くのかとかも、全然わかりません。

;;; リストの要素の平均値を計算
(defun average (x)
  (/ (apply #'+ x) (length x)))

;;; 数値をバラして各桁の数字でリスト作る
(defun make-ss-list (ss)
  (let (ss-list '())
    (while (> ss 0)
      (setq ss-list
	    (append ss-list (list (mod ss 10))))
      (setq ss (/ (- ss (mod ss 10)) 10)))
    (reverse ss-list)))

;;; 与えられたリストがジャグリング可能か判定する
(defun jugglep (ss-list)
  (let ((s 0) (new-ss-list '()) (jugglable t))
    (if (integerp (average ss-list))
	(progn
	  (dolist (x ss-list new-ss-list)
	    (setq new-ss-list
		  (append new-ss-list
			  (list (mod (+ s x) (length ss-list)))))
	    (setq s (1+ s)))
	  (while (not (equal new-ss-list '()))
	    (if (member (car new-ss-list) (cdr new-ss-list))
		(progn
		  (setq jugglable nil)
		  (setq new-ss-list '())))
	    (setq new-ss-list (cdr new-ss-list)))
	  jugglable)
      nil)))

;;; 素数かどうかの判定
(defun prime-p (n k prime-list)
  (dolist (m prime-list)
    (cond ((zerop (mod n m)) (return))
          ((< k m) (return t)))))

;;; 素数のリストを作る
(defun prime (n)
  (do ((prime-list '(2))
       (m 3 (+ m 2)))
      ((< n m) prime-list)
    (if (prime-p m (sqrt m) prime-list)
        (setq prime-list (append prime-list (list m))))))

;;; 階乗計算
(defun fact (x)
    (if (zerop x)
        1
        (* x (fact (1- x)))))

;;; べき乗計算
(defun expo(a b)
  (if (= b 1) a  (* a (expo a (1- b)))))

;;; 実際の計算例1
(dotimes (n 100)
  (dotimes (a 100)
    (if (and (jugglep (make-ss-list (expo (1+ n) (1+ a))))
	     (> n 1)
	     (> a 1))
	(progn
	  (print (cons (1+ n) (1+ a)))
	  (print (cons "balls" (average (make-ss-list (expo (1+ n) (1+ a))))))
	  (print (expo (1+ n) (1+ a)))))))

;;; 実際の計算例2
(dolist (n (prime 100000))
  (if (jugglep (make-ss-list n))
      (print n)))

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2005年09月20日

怪我の功名

2週間ぶりに病院に行きました。と思ってブログを読み返したら3週間ぶりでした。ステロイド注射が劇的に効いて、痛み止めの座薬を使うこともなく、経過はまずまず良好です。調子に乗って右手を乱暴に使った翌日に、やや肩が痛むという程度です。日常生活で困る場面もほとんどなくなりました。医者も「このまま様子をみましょう」というだけで、特に処置も何もなしでした。

良くなったり悪くなったりを大きく2度繰り返していますが、8月2日に最初の激しい痛みが出た日から数えると、すでに50日です。このまま痛みが再発せず、関節の動きも良くなると楽観しても、結局2ヶ月コースです。腱がらみは甘くみてはいけないってことなのでしょう。

今日は左手の3in1で46→58キャッチと、はじめて3in1で50を超えました。片手だけの練習は本当に退屈です。しかし、ジャグリングに取り憑かれた人間としては、左手だけでも、やらないよりは楽しいですので、黙々と投げたりします。これこそ怪我の功名でしょう。右手が元気だったら、こんなに左手の3in1を練習してたとは思えません。2in1の2アップピルエットも、だいぶ上達しました。早く4ボールシンクロファウンテンの4アップを試してみたくてウズウズしています。なんだか、できそうな気がするのです。

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2005年09月18日

5ボールじゃぁねぇ

秋葉のヨドバシに行ったら、出口を間違えて中央通り側を目指していました。本能というヤツでしょうか。習性というヤツでしょうか。

そうしたら、かつて大駐車場があったあたりでジャグリングの大道芸をやっている人がいました。客はまばらで、芸も技もごく普通。5ボール10キャッチほどで決めポーズを取るのを見た妻は、「ええっー、あれで拍手もらえちゃうのぉ?」とご不満な様子。ある意味では、うちの妻は、すっかり目が肥えている。

夜、ジャグリングのビデオを見ていたら、それを隣からのぞき込んだ妻が言いました。「みんな、こういうのをやればいいのね」。吹き出しそうになるのを抑えて、ひとまずぼくは答えました。「ね、マラバリの人とかも、このぐらいやればいいのにね」。たぶん9ボールで200キャッチを超えるのは世界中でガットーだけじゃないのかなと思うのだけど。

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2005年09月17日

横浜大道芸

横浜で大道芸を見てきました。たぶん7、8年近く前だったと思うのですが、山下公園で見て衝撃を受けた川原彰さんの芸を見たかったのでした。といっても、今日は、それを狙って行ったというわけではなく、横浜元町のバーゲンセール(チャーミングセール)目当ての妻について行ったというだけですが。5年近く住んだ横浜は何かと縁があります。

で、5時半ごろから、芸人まこと、Kaja、川原彰(とパートナーの女性)の3つを、連続して全部見ました。いやー、おもしろい。Kajaさんの客いじりとか、流れの作り方は芸術的だなと思いました。

それにしても、感じたのは、マジックが流行してるんだなってこと。みなさんマジックの小ネタたっぷり。まあ、ウケることは何でもやるってことなんでしょうけど、ジャグラーとしては、ちょっと寂しい感じもします。

大道芸とジャグリングは違う、というのは、もはや趣味ジャグラーには説明するまでもないのでしょうが、ますますそう思ったのでした。大道芸は確かに芸として完成しています。セオリー化できそうな流れとかアドリブのパターンがわかってくると、大道芸も楽しそうだなと思える一方で、ジャグリングとは別物だなという。

kaja.jpgKajaさんの綱引き3ナイフ・カスケード。客を芸に引き込む間合いとか、いじり方とか、すごい。

真ん前の真ん中に座っていたからか、Kajaさんのときも川原さんのときも、「ちょっとお兄さん、クラブの投げ入れを手伝ってください」と白羽の矢が立ってしまった。川原さんに「投げたことありますか?」と聞かれたときに、思わず、うなずいてしまって、しまったと思った。たぶん、投げたことがないという答えに対して何かリアクションがあったに違いない。

まだ右肩は痛いなぁと思いながらも、クラブの投げ入れ。ぼくはパッシングは全然できないのでよくわからないけど、回転なしで相手に投げるのは何ていうのだろうか。ロケット? トマホーク? それは上手投げかな? ともかく「回転なしでお願いします」と言われても、フラットスピンと同じで、けっこう難しい。ふつうに投げると半回転で相手の手元に届いてしまう。うーむ。いっそ、びしっと1回転半で投げてしまおうかと思ったり。それは嘘ですけど。

大道芸の「芸」は、すごいなと思う。でも、やっぱりぼくが見たいのとか、やりたいのはジャグリングのほうだなと思った。

kawahara.jpg

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2005年09月15日

ストレッチ神話と腱鞘炎の予防法

rec.jugglingで怪我についての話題が出ていて、PhysioMonkey(http://physiomonkey.blogspirit.com/)というサイトが紹介されていた。ジャグラーの怪我といえば、もちろん腱鞘炎。

いろいろと調べていて勉強になったけど、何よりいちばん驚いたのは「ストレッチ神話」。ジャグラーのみならず、おそらくどんなスポーツをやる人にも共通して信じられていることだろうけど、運動前には十分にストレッチしろということが、なかば常識として言われている。いわく、「怪我の予防になる」「いい成績を出せる」。

ところが、これには実は根拠がないらしい。怪我のリスクを下げるという研究結果がないどころか、むしろ念入りなストレッチをやることで筋力のパフォーマンスを6%程度落とすという、にわかに信じられないような話がある。6%の筋力が落ちても大したことはないけど、限界ぎりぎりの記録を狙うアスリートや、限界ぎりぎりのボールを投げるジャグラー(笑)には、無視できないものだ。ていうか、時間の無駄。

ストレッチで身体の柔軟性を高めることには、転んだときやひねったときに、必要以上の負荷がかからないようにする意味があるので、普段からストレッチをすることは、たぶんいい。でも運動直前のストレッチが、運動中の怪我のリスクを下げるという意味ではない。むしろストレッチは身体がまだ温かい運動後にやるのもありだという。

心拍数や体温を上げるためのウォームアップとしては、自分がやる運動の軽めのものをすれば十分だとか。ジャグラーなら少ないボールから徐々に、ということで、だいたいみんな間違ってなかったってことだ。

じゃあ、腱鞘炎の予防には何が必要か。言い換えると、どういうときに腱鞘炎になるのかということだけど、これは「無理をしない」ということに尽きるらしい。練習を重ねていくうちに、運動に必要な筋力や腱の強度は増していく。だから、自分にとってふつうにできる程度の運動であれば、別にストレッチをしなくても、ふつうにできる。危ないのは、自分ができる以上の運動をしたときで、そのとき、筋肉や腱の繊維に微細な傷が付く。

筋繊維が傷つくと、軽い炎症を起こす。これが筋肉痛。筋繊維は、すぐに修復する。ところが、筋肉と骨を結びつけている腱のほうは、修復が極端に遅く、人によっては全然修復が進まないというシロモノらしい。蓄積された腱の損傷は、時間をかけて治すしかなく、今のところ効果的な治療法はないという。ともかく「ゆっくり休む」というのが最大の治療法のようだ。

外部から超音波で壊れた古い組織を破砕するという治療法がアメリカでは注目されていて、FDAの認可も下りたといういけど、どうなんだろうか。腎臓結石を破砕するように、ぼくの肩にたまった石灰質物質も砕けそうに思えるけど。

あ、もうひとつ、ちょっと驚いた神話。怪我や痛みがあるときに冷やすのがいいか、温めるがいいか。炎症のときに痛みを抑える効果があるのは、冷やすほうで、温めるのは逆効果だという。何となく温めると良さそうに思っているし、温めると気持ちいいんだけど、炎症をひどくするだけらしい。日本人のように全身浴をすれば、全身の血行をよくするから、それは効果がありそうに思えるけど。ただ、冷やすことで局所的に感覚を鈍らせることに鎮痛効果はあるけど、それが長期的に炎症を抑える効果があるかどうかについては、何とも言えないのだとか。

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2005年09月14日

9ボール250キャッチって

うおーっ。ガットーが9ボールで250キャッチ超えですよ。すごい。http://homepage.mac.com/anthonygatto/.Public/more9balls.mov

ところで、9×9×9×9×9×9=531441ですね。偶然発見しました。

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2005年09月13日

地道に3in1

30分ほど練習。左手3in1で36→46キャッチ。よっしゃ、伸びた。20キャッチ超えの率が上がった。右肩が治るころには(いつだ?)、6ボールファウンテンのクオリファイも夢じゃないかも!?

3in1に必要なのはスローの正確さだろうと思っていたけど、むしろタイミング調整力のほうが重要かも。微妙にスローのタイミングをぎりぎりまで遅らせるだけで、衝突の率をぐっと減らせる。

もうひとつ、パターンを見慣れて全体に動きが遅く感じられるようになる効果も大きいかも。スローの正確さは、キャッチから次のスローへ移るまでの時間に「気持ち的余裕」があるかにかかっっている。最初は忙しくてデタラメに投げがちになってしまうけど、慣れるにつれて、ちゃんとコントロールに気を配れるようになる。この余裕は、練習を繰り返すことでしか生まれない。

40[44]0(または6020[64]0?)のほうは10→21ラウンド。マルチと3in1の移行が意外に難しい。

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2005年09月11日

3個はまだまだ

何もしていなくても肩が痛いときには、一切ボールに触れる気もしなかったけど、ここ数日は肩の痛みがどんどん引いていっているので、左手のパームスピニングなんぞを、またチマチマと練習してみたり。

計測してみたら、左手2ボール順方向の50回転にかかった時間は38秒だった。最後に計ったときは18秒だったけど、あれは数え間違いで25回転だった。ということは、むしろ36秒から38秒に落ちている。スピードを上げること自体に意味があるのかはよくわからないけど、30秒で50回転はいけそうな気がする。それより逆回転が非常に不自然。逆回転ができないと両手を合わせたルーチンができない。

片手3個は1分で17回転。うまくすると2回転ぐらいは、ぶつからずに回せるようになってきた。

両手3、4、5個のシャワーやカスケードも、あれこれと練習。なんかイマイチ退屈。両手5個のカスケードパームスピニングで、衝突ゼロって可能なんだろうか。

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2005年09月10日

MJF2005

駒場東大へMJF2005を見に行きました。晩夏の夕暮れ、大学のキャンパスというところを歩くのが新鮮な気分。

通称MJF、ジャグリングサークル「マラバリスタ」の年に1度の発表会、Marabaristas Juggling Festivalも今回で10回目だそうで、日本最古の現存する日本でもっとも古いジャグリングサークルのひとつという歴史を思わせます(確認できる日本最古のジャグリングサークルは1991年に北里大学にあったもののようです。マラバリは1993年発足)。マラバリを立ち上げた中嶋潤一郎さんも「マラバリの中嶋です!」と舞台で挨拶をしていて、何かハッとしました。ナランハの中嶋さんって、マラバリの中嶋さんでもあったのを忘れていました。

ショーのほうは、演者もスタッフも、手作り感いっぱい、一生懸命感いっぱいで、ほほえましいものでした。青臭い感じがないと言えば嘘になるけど、ジャグリングも、演出も、よくできてるなぁと思いました。個人個人がアイデアを形にしてそれをルーチンを作り込み、そうしたパフォーマンスを全体としてショーに作り上げるのって楽しい経験だろうなと、それがうらやましく思えました。自分の学生時代を振り返ると、これほど何かに打ち込んだりしてなかったなと思ったものです。

パフォーマンスのほうは、デビステが多いのが意外でした。スイングもあるし、ポイもあるし、シガーもある。練習ではあまり見かけないので、マラバリって、てっきりクラブとボールのトスがメインのサークルだとばかり思っていました。

3位になった大島くんという人のボールの演技が最高。練習のときに、激しいボディーバウンスの練習をしている人がいるなぁとは思っていたけど、あそこまで完成度を高めなんてすごい。新境地っぽい上に技術的にも高度。見ていて楽しい。自分の世界をもっているジャグラーっていいなぁ。

加藤さんや一野君がやったアルゴリズム行進、MJFスペシャルがバカ受け。めっちゃおもしろかったです。

上級生があまり出場していなかったそうで、それは残念。

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2005年09月08日

9回転ピルエットの動画

佐々木たくぞーさんが日記にバレエの話を書いていた。バレエの熊川哲也は7回転ピルエットができるらしい。気になって、バレエ関係のサイトでピルエット情報を探してみた。

9回転ピルエットの動画を発見……。これはスゴイ。回転の安定度がハンパないっす。

掲示板にこんなやりとりがありました。バレエを習っているという中学3年生の人が「ダブルピルエットはバレエを初めて何年ぐらいで出来るようになりましたか? 今とてもダブルピルエットで苦戦しているので、どうすれば出来るようになるかも教えてくださると嬉しいです」。それに対する、3歳からバレエをやってるという高校2年生の回答。「 大人の人であればダブルは週1回のおけいこで1、2年でできるようになるようです。中学生くらいまでなら、おけいこの回数にもよりますが、1年足らずでできるみたいです」。さらにピルエットのコツについて、こんなことも書かれていました。「4番ポディションをちょっと広めにしてみる、床を1回強く押してからパッセにする、おなかをへこませて自分がどんどん上に行く感じで回る、といいと思います。回転系は、ほとんどが慣れの問題だと思います。練習あるのみです! お互い、がんばりましょうね」。

このほかにもいろいろと読んでいると、なんかバレエの上達ってジャグリングに似てるなと思えてくるのでした。専門用語が多くてよくわからないこともあるけど「慣れ」次第といってるところや、大人になってからバレエをはじめた人たちがダブルピルエットに苦労しつつも、「○○ができるようになる日を夢見て練習に励む」ところなんかもジャグラーそっくり。プロのショーに感激したり、ビデオや書籍、CDやグッズを買ったり、同じ趣味の人と交流したり、発表会で緊張したり、怪我しても練習を続けちゃったりなんてところも似てる。

本気になった子どもには上達速度ではかなわないけど、でも実は、大人も捨てたものじゃないというあたりの話もジャグリングと一緒。親にムリにバレエ学校に入れられて漫然とやっている子どもより、毎日エレベーターのなかでピルエットの練習をしちゃったり、コピー機の前で立ちポーズの練習をしちゃったりと、理屈と熱意で集中的に練習する大人のほうが上達が早かったりするらしい。

バレエのピルエットでは膝は開くし、腕は割と身体から離すし、ずいぶんジャグラーのピルエットと違うなぁ。スポッティングも「目線の高さのモノを見ろ」という。ジャグラーはだいたいスポッティングは斜め上を見上げる感じでやっているので、森田君にしてもジェーソンにしても、軸がやや後ろに倒れている。倒れながらも安定して回れるので、たいした問題じゃないんだろうし、これはもうスタイルの違いってことだろうけど。

そうそう、ダブルピルエットのコツとしておもしろいなと思ったものがひとつ。「1回転半から後半回転というときに軸足で地面をもう1回蹴るといい」というのがありました。軸足でねじるように踏み込むってことだろうか。

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2005年09月07日

マルチプレックスの練習

久しぶりに30分ほどボールを投げた。右手を使うのは恐ろしいので完全に左手だけ。片手だけだと、2in1で1アップや2アップのピルエットの練習をするか、3in1ぐらいしかやることがないので退屈。

3in1はなかなか上達しないし、4in1はフラッシュすらできそうにないし、8040もまったく無理っぽい。あまりに退屈なのでマルチプレックスをやってみた。

まず、40[44]0を、ふつうにローリングアウトで投げてみた。最初は1、2ラウンドしかできなかったけど、5分、10分と練習するうちに、うまく空中に2個が並ぶように投げるコツやキャッチのコツ、リズムなんかがわかってきて急激に上達した。すぐに5、6ラウンドぐらいできるようになって、今日は10ラウンドまでできた。楽しい! やっぱり趣味のジャグリングって上達する感触こそが醍醐味だ。目指せ100ラウンドという短期目標もできた。ひょっとして[44]0[44]0も、やればできるのかしら。

同じく40[44]0で並行な投げ上げも練習してみた。サイトスワップが同じなだけに、これも10ラウンド程度は続くようになった。これは1up4upの片側バージョンで、これが安定してできるようになれば、1up4upも続くようになるんじゃないかと期待。

[44]はキャッチしてから次のスローを投げるまでに手のなかで形を整えるのに時間がかかる。そのぶん自然と[44]の部分ではホールド時間が長くなる。だから40[44]0はサイトスワップでは全部4だけど、[44]は低めに、単発の4を高めに投げないと間に合わなくなる。むしろクラブで2in1をやっているような印象に近い。ただ、4をあまり高くしてしまうと、間延びしてしまう。そのほうが余裕ができていいけど、1up4upで1upをやたらと高く投げたり、逆に[44]を申し訳程度に低く投げるのはカッコ悪いと思う。

1up6upに向けて(嘘)、3ボールマルチプレックスを投げる練習をしてみた。森田君の1up6up講座によると、3upを投げるコツは「クイッと手首を使って投げます」だそうで、ふむふむ……。いやっ……、そりゃーないよー、森田君、そんなの何の情報にもなってないよーと読んだときにはそう思ったけど、あまり深く考えずに「クイッ」と手首を曲げてみたら、あら不思議。10回ほど投げたうち、2回で3つのボールがキレイに縦に並びましたですよ……。キャッチはできなかったけど。

マルチプレックス系のトリックは何となく好きになれないけど、シャワー関係やトランジション関係でやるぶんには派手で楽しそう。怪我が治ったら、いろいろやってみたいもんだ。

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2005年09月06日

右利き、左利き

怪我で1ヶ月以上もジャグリングの練習をしていないというのに、練習日記だけは着々と更新しているという謎。

先週の注射は劇的に効いて、けっきょく痛み止めの座薬は1度も使うことなく済みそうです。日常生活でほとんど痛みを感じないところまで回復して、ここ3、4日ほどは日に日に良くなっていくのがわかるようです。といっても相変わらず肩関節の動きは悪くて、医者に「万歳できますか?」と聞かれて、まさかそんなこと聞かれるとも思わずに驚いたほどでした。上がるわけないし、怖すぎます。実際、あげようとすると痛い。

どうも、若干肩の肉が固まってきているようで、医者も、じょじょに動かしたほうがいいと言ってました。ただ、ちょっと意外だったのは、痛みが引くとともに自然と右手も使うようになっているということ。過去1週間は、お箸も歯磨きもドライヤーもベルトを締めるのも全部左手で、右手はずっとダラーンとした状態だったけど、腕がそれなりに動き始めると無意識に右手を使ってしまうらしい。

本人のつもりとしては「意識して」使わないようにしていたのだけど、やっぱり右手の使用を抑止していたのは痛みに他ならないわけで、人間の身体って良くできてるなと思えてくるのでした。いつになったら練習を再開できるのだろうかと思っていたけど、要するに「痛みがなくなってきたら順次」ということでいいんだろう。


以下、右利き左利きについての雑談で、まとまりも結論もありません。もともとまとまりも結論もないブログを書いておきながら前置きするので、まあひどいものです(笑)。いつもはこういうとき、だいたい書いたものを消してしまうのですが、そのままアップしてみたりして。


大学生のとき、スキーの最中にちょっとした崖から転落したことがあります。2m程度の高さで、別にたいしたことはなかったのですが、落ちたときに思わず地面に突き立てたストックで、手のひらが「ゴキッ」と言いました。右手の親指の付け根にある舟状骨という骨が割れていました。

このとき、2ヶ月以上も左手で生活した経験があります。左利きにとって、世の中がいかに不便にできているかを実感しつつ、かなりのことが左手でできるようになりました。もともと左利きに憧れていたので、ちょうど良かったと思ったものです。

そのときは大学生だったので文字が書けないのは困ります。というので、左手でずいぶん練習したけど、これがなかなか書けません。メモ程度は何とかなっても、試験やレポートという実用レベルでは、まったく無力。仕方なく、右手のギプスからちょっとはみ出ている親指と人差し指の間にマッチ箱を挟み、それで鉛筆を固定して文字を書くようにしてみた。指先が動かないので肘を前後左右に動かして書くので、ふつうに文字を書くのとは違う感覚だったけど、これはすぐに慣れたのです。自分のことながら、この可塑性にちょっと驚いたものです。

もっと驚いたのは、ギプスをハズしたときのほうです。肘で動かすライティングスタイルに慣れたぼくは、なんと、ふつうに指で鉛筆を挟んだスタイルでは字が書けなくなっていたのです。もちろん、3日ほどで書けるようにはなったのですが、しばらくは相変わらず肘を動かして書いていたりして。


右利き、左利きと呼んで、あたかも先天的に2種類の違いが存在するように思っているけど、学習による習慣的動作の可塑性って、ぼくらが直観しているよりも、はるかに高いんじゃないだろうかと思うのです。

大阪ではエスカレーターの右側に並び、急ぎの人のために左側を空けておく。反対に東京ではエスカレーターの左側に並び、右側を空けておく。この左右には何の意味もなく、偶然どちらかに偏りが生じたのが拡大して固定化された結果という程度のこと。

人間の利き手も、その程度のことじゃないのか。赤ん坊のとき、右利き用の道具に囲まれているから、右利きになるだけだと。いったん右側で学習が始まると学習の相乗効果が生まれるから、右がどんどん有利になってしまう。

局所的に見ると、左右が逆転することもある。お箸を左右で持ち替えて驚くのが、お茶碗を利き手で持つことの意外な難しさ。左手は補助的な動きには慣れていて、右手が何かを操作するとき、それに合わせて物体のアングルを変えたり、回転させたりするといったことはうまい。ところが右手は、そういうのをあまりやったことがないから、お椀関係を右手でもつと不思議な無力感に襲われる。

むかしギターを弾いていたぼくは、たぶん左手でコードを抑えていた関係で、パームスピニングに関しては左手のほうがずっと滑らかに動く。これも局所的な逆転の例。

そういえば右利き、左利きでは、こんな話もある。古来、戦争で不利なのは左利き。なぜなら右手で盾をもつと左側にある心臓を刺されて死ぬ確率が高いから。あるいは近代戦争にしても、銃砲は右利き用に作られていて、左利きは熟練するのに時間がかかるので、やっぱり不利。だから戦死率が高い。これが世の中に右利きが多い理由だという。でもまあ、この説はすでに統計的に否定されているらしいです。

サイエンスの世界では、右利き、左利きの偏りに関する説は諸説あって、どれもいまだ決定打に欠けるということだけど、習慣的動作の意外な可塑性の高さを知ると「環境決定説」を支持したくなるなぁ。単にエスカレーターで右側に並ぶようになるか、左側に並ぶようになるかの違い。

いや……、そういえば胎児の時期にアンドロゲンシャワーを多く浴びた脳が左利きになりやすいという話もあるなぁ。左利きは男性に多い。建築家、数学家、音楽家に左利きが多いとも言う。

ともあれ、練習すれば左手(非利き手)もかなり使えるという事実は、練習しても左手はなかなか使えないという事実(両方とも真実だ)とともに、ジャグラーにはよく知られているところ。局所的な逆転も簡単に起こることで、ピルエットの蹴り足が非利き手側だったり(球技の世界でピボッティングと言えば、ふつうは利き足じゃない側を軸にしますよね)、同じ右利きでもキャリーの方向が逆なんてのは日常茶飯事。やりやすいと感じるほうで練習をはじめるわけだけど、左右非対称な技のなかには、練習しはじめのころに右も左も難易度が同程度に感じられるものが結構あるというわけです。

もっと意図的に、日常生活で左右を入れ替えてみると、どうなるだろうかと、またすごく変人ぽいことを考えていたりする今日この頃です。

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2005年09月02日

ジャグリング語源話あれこれ

「ハンナラ党」と言えば、韓国の与党第一党の名前。ハン・ナラは「偉大な・国」「1つの・国」といった意味があるそうだ。それはともかく、これを「ナランハ」と思わず読み間違えないようでは、日本のジャグラーとしてはモグリだと思う。

ナランハ店長の中嶋さんによると、ジャグリングショップ「ナランハ」の命名は学生時代にさかのぼるという。ナランハが発行するメルマガのVol.10に、「ナランハ」ってどういう意味ですか?という短い対談が掲載されている。それによるとナランハ(naranja)はスペイン語でオレンジという意味だそうだ。ジャグリング販売店の名前を考えていたとき、何気なくエクアドルの留学生に“オレンジ”ってスペイン語で何というのかを聞いたことで即決したらしい。中嶋さんが組んでいた大道芸ユニットの名前が「つぶつぶオレンジ」だったからとか。

スペイン語でnaranjaはオレンジという意味だけど、どうもこれ、何か引っかかると思っていた。ぼくにはスペイン語の語感はわからないけど、ヨーロッパの語彙っぽくない。ロマンス系でもゲルマン系でもラテン系でもなさそうな。そう思っていたら、最近読んだ本に答えが書いてあった。naranjaはアラビア語からスペイン語に入った語彙なんだとか。

ジブラルタル海峡を挟んで、スペインは北アフリカと歴史的に深い交流がある。交流というよりアフリカからのイスラム教徒の侵攻に対して、キリスト教徒が自国領地からイスラム教徒を追い出したのがレコンキスタ運動だった。いま調べたら、イスラム教徒は8世紀にスペインやポルトガルにやってきて、約800年間も支配を続けたというから、そりゃまあ文化的影響を受けないわけがない。キリスト教徒は長い時間をかけて徐々に南下したから、今でもイベリア半島というのは文化的多様性が豊富で、地域ごとの自治色が強いということらしい。

以前、ネットでチャットしていたとき、スペイン南部の人と、モロッコの人がしゃべっているのを聞いて驚いたことがある。スペイン人のほうは、「よく出張に行くよ」という。海峡ひとつとはいえ、大陸間移動ぐらいの話だからと思って、飛行機だとどのぐらい時間がかかるのか聞いてみたら、返ってきた答えに驚いた。「ケン、アフリカ大陸といってもモロッコは目と鼻の先なんだよ。モーターボートで40分ぐらいで渡れるんだ。向こう岸が目で見えるぐらいのもんだよ」。知らんかった……。そりゃ侵攻されるわ。

naranjaという単語は、中東で生まれ、それがイスラム教とともにアフリカへ渡り、それがスペイン、南米、日本とわたってジャグリングショップの名前になったというだけだ。

ひょとして、スペイン語ってアラビア語語源の単語だらけなのか? 11世紀から300年に及んだフランスによるイギリス支配、ノルマン・コンクエストの結果、英語の語彙の3分の1はフランス語語源のもになったという話がある。300年でそんなことになるんだから、800年だとどうだろう。スペイン語、まったく知らん。


以前、rec.jugglingで“jugglingってどういう意味?”と聞いたら、本題とは別にスペイン語(ポルトガル語でも)でジャグリングのことは「malabarista」と呼ぶと教えてくれた人がいた。これは、ポルトガルのバスコダ・ダ・ガマが1498年にインドの地を訪れた街、「マラバー(Malabar)」にちなんでついた呼び名だそうだ。

で、ジャグリング(juggling)の語源の話。

juggleの語源は14世紀ごろフランス語で使われていた「jogler」という動詞で、これは宮廷なんかで道化師としてパフォームすることを意味したらしい。

その後、ジャグリング受難の歴史がはじまる(笑)。20世紀になった今も手品と一緒くたにされてしまうことの多いジャグリングだけど、これには長い歴史がある。かつて英語のjuggleという言葉には「だます、あざむく」という意味もあったという。「juggler」は「詐欺師」。この意味が残っている辞書もあるぐらいだから、そう古い用法ではないんだろうけど、rec.jugglingで英米人に聞いたところ、誰もネガティブな「だます」という用法は聞いたことがないと言っていた。現代英語でjuggleと言えば、だますとかジャグリングするという意味よりも、「仕事と家庭を両立する」というような文脈で、複数のタスクをこなすという意味で使うことがいちばん多い。といっても、この用法もサーカスのジャグラーを念頭に比喩的に用いられているだけなので、英語話者にjugglerと言えば、もちろんジャグラーを思い浮かべるらしいけど。

手品とジャグリングが一緒くたになっている辞書もある。rec.jugglingで答えてくれた人の1人は、彼の英日辞書でjugglingの訳語が「手品」になっていると教えてくれた。なんと……。しかし、よくよく考えてみると、ジャグリングこそ「手品」と呼ぶべきじゃないか。手でトリックをやるわけだし。

ジャグリングと手品の違いはタネがあるかないかとも言えるけど、非ジャグラーにとっては、ジャグリングにタネがないとは、にわかには信じられない、という事情もあって、混同され続けてるんだろう。


もうひとつ、rec.juggligで教えてもらった、ジャグリング関連のおもしろい語源話。オランダ語では、juggleは「jongleren」と呼ぶ。で、この単語、分解すると「jong(young)」「leren(learn)」となっている。つまり、「若い人が習う」という意味で、なんだかオヤジャグラーとしては悲しくなるような話じゃないですか(笑)

と、思っていたら、「いや、むしろぼく的にはyoungはnot oldってことだし、“jongleren”は“not too old to learn”と訳したいね」と言った人がいた。学ぶに遅すぎるということはない。

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