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2006年05月31日
ジャグリング連続体仮説
rec.jugglingに『ボールジャグリングテクニカルビデオ』DVD版のレビューを長々と書いて投稿しましたが、なんと反応がゼロでした……。いくら何でもまったくコメントが付かないなんてビックリです。書き方が悪かったか、長々と書きすぎたか……。いや、そもそもビデオの入手可能性があるかどうかもわからず、サンプルのムービーがネット上にないってことで、あまり誰も興味をもたなかったのかもしれません。
でも懲りずに匠の紹介もポストするつもりです。こっちは紹介ムービーがあるので反応もあるかな、と思っています。これ、ワールドワイドで売る意志はあんですよね、きっと。日本って国内市場がでかいので面倒な海外出荷をしないことって少なくないですけど、1人のジャグリングファンとしては、日本のジャグラーが世界に知られていないのはもったいないと思うのでした。
ネットで公開されるビデオは相変わらずいろいろ見ていますが、あまりここでは紹介できていません。期待してくださっている方、すみません。
だいぶ前に書いた、書きかけの文章をアップします。「ジャグリング連続体仮説」と、ぼくが密かに自分のなかで呼んでいる仮説についてです。
すごく当たり前の話かもしれませんが、ボールやクラブの場合、技の難易度は連続してるという直感のもとに練習をしています。言い方を変えると、難易度という数直線上に、必要な数だけ技をもってくれば、必ず隙間なく直線を埋め尽くせるんじゃないかという直感です。似非理系っぽくいえば、その分布は離散的ではないという意味です。
ただし、その難易度直線は1本ではない気がしています。複数の線が入り乱れ、交わっているという印象です。カスケードの線と、バッククロスの線は、ほぼ直交していて互いに関連をもちません。でも、4ファウンテンと5カスケードのように、相関をもつものもあるという感じです。よく「○○系の技」という言い方をしますが、この「系」が1本の線に相当します。「ボックス系」と「シャワー系」は、たぶんまったく無関係ではありません。
うまく技を並べると、徐々に難易度が上がっていくようにサイトスワップや技を配置できると考えています。すべての技が難易度という数直線上で一列になるという意味ではないですし、人によって、あるいは習得順序によって難易度の順位が入れ替わっていることがありえるというのも否定しません。
基本パターンのカスケードとファウンテンだけだと、確かに4ボールと5ボールの難易度にはとても大きな差があります。5個と6個でも、かなりのギャップがあります。でも、サイトスワップやピルエットが、その間を埋めてくれるんじゃないかと思えるのです。これこそトラッシュスワップをやる理由だと思って練習しています。つまり、6ボールファウンテンの記録は停滞してても、66161という4ボールのサイトスワップはスクスク伸びるかもしれません。66161が上達して100回できるようになると、6ファウンテンも、10キャッチぐらいは伸びるだろうというのがポイントです。
ある段階で「伸びない」と感じることは、誰にでもあると思うのですが、冷静に考えてみると、とつぜん学習が止まるなんて考えづらいです。伸びないなんてありえません。どういうことかというと、単に難易度のギャップが大きすぎて、伸びが顕在化しづらいだけなのじゃないかということです。
カスケードとファウンテンだけで4→5→6→7と進めるように思えないのです。退屈だし、あまりに難易度の分布が、離散的、幾何級数的すぎて。だからサイトスワップや、nボールmアップピルエットを細々とやってる、というところがあります。いきなり5ボール5アップはできなくても、たとえばいまのぼくだと4ボール2アップの成功率がグングンあがっていて、これは4ボール3アップや4アップにも影響しているし、当然5ボール3アップにも関係してくるだろうと思っています。5ボール3アップが10回連続でできれば、5ボールも5アップも、というように、常に目の前にぶら下がったにんじんを追いかけているだけで、1年後には遠い地点にまで行けるのだろうと、そう思っています。
なんかまとまりのない文章ですが……。
ツリーを描いてみると、こんな感じかなぁ。あんまり深い意味はないですが。
投稿者 ken : 2006年05月31日 23:51
コメント
連続コメント失礼します。
ボールジャグリングテクニカルビデオDVD版は
私も是非海外にも知れて欲しいと思います。折角
西村さんが紹介されたのに反応が無いと言うのは
とても残念です。サンプルムービーさえあれば絶対に
興味を持ってくれると思います。
デモンストレーションだけで十分売る価値がありますが、
中嶋先生のレクチャーは英語に吹き替えか何かしないと
駄目かもしれませんね、輸出するとなると。
話は変わりまして「ジャグリング連続体仮説」ですが、
とても興味深いです。私は今まで「技と技の相関」について
すっきりと言葉で説明できませんでしたが、見事に説明
している西村さんのこの仮説には感心させられました。
上達が早い人というのは、この仮説を用いると「直線の
伸ばし方や埋め方、または交差のさせ方が上手い人」と
説明できるでしょうか。
また、何か新しい技を覚えるときにトップダウンでいくか
ボトムアップでいくかは人それぞれですが、前者は技を一旦
直線上の遠くへ飛ばしてレールを敷いてからレールを強化して
いく、後者はまさに「目の前のにんじん」でちょっとずつ直線
を伸ばしていく、ということだと思いました。西村さんの考え
とは全然合ってないかもしれませんが^^;
それと1つお聞きしたいのですが、西村さんの考えでは直線の
位置関係にねじれの位置はありますか?私は何となくあるのか
なと思ったので。例えば3ボールでシャワーとクローキャッチ
が同じ難易度の人にとって、シャワーの線とクローキャッチ
の線は3ボールにおいて完全に交わるのではなく、いくらか
離れるのかなと。
この仮説の全体像としては神経系のようなネットワークを
連想してしまったのでした。
投稿者 ケータ : 2006年06月01日 00:50
技の習得理論は興味があっていろいろ考えてます。
連続かどうかははっきりしませんが緩やかな依存関係があってある種の「つながった」空間で表せるというのは同感です。
そのつながり(位相構造)が何次元くらいに埋め込めるかが問題ですね。多分練習で変化していくレベルは多様体=メビウスの輪とかクラインのツボのようなものになっていて練習によってそのうえをとぼとぼ進んでいく感じです。
で、その練習曲面がところどころヒダヒダになっていてすぐそこに上のレベルが見えるのにジャンプしても届かない。1970年ころだったかに流行ったカタストロフィー理論というものがこれです。
別の技を練習すると、そのヒダを横からぐるりと回り込んで乗り越えていくことができるあたりが一致しています。
ねじれの位置というのは、低い次元でこのヒダヒダを見たときに感じます。どこかで「つながって」いるので適切な遠回りをすると上の面に登れるはずです。
悪い癖をつけない、というのもこれと通じると考えています。
投稿者 にしの : 2006年06月01日 12:08
ケータさん、
ナランハは海外にも販売するようですし、
IJAに出店もするようです。マットホール先生の手元にも
届いてるようなので、きっとIJAの会報誌、JUGGLEでも
取り上げられることと思います。
技をうまくチョイスしていきさえすれば、飽きることなく
しかも効率的に(より中毒的に)練習できるような気がしています。
まあ、よく言われることですが、「伸びなかったらほかのこと
やってみなさい。しばらくしてからまたやってみたら、できるように
なってたることが良くある」という話かもしれません。
技を分解してやるボトムアップ練習も、直線上に並べる話ですよね。
それ単体でいちおう技とかパターンになっているものだけを
並べるってのもありますけど、パターンの部分だけを独立して
練習するというの、ご指摘のとおり似たようなことだと思います。
> それと1つお聞きしたいのですが、西村さんの考えでは直線の
> 位置関係にねじれの位置はありますか?私は何となくあるのか
> なと思ったので。例えば3ボールでシャワーとクローキャッチ
> が同じ難易度の人にとって、シャワーの線とクローキャッチ
> の線は3ボールにおいて完全に交わるのではなく、いくらか
> 離れるのかなと。
バッククロスとカスケードはねじれの関係でしょうか。
いや、直交とかねじれとか、幾何学的な意味はもちろん違いますが、
いまはそういうものの定義の話をしているというより、
何となくたとえ話をしているだけなので、あまり区別しなくても
いいかなーと。
にしのさん、
クラインのツボの上を歩いてたんですね!
技と技に連続性はありませんが、技Aが50キャッチで技Bが5キャッチというように
その技に習熟度という幅を持たせると難易度空間を埋め尽くせるんじゃないかなー
という気がします。技をブレイクダウンしてボトムアップにするなら、
これは当たり前すぎる話かもしれませんが。
カタストロフィー理論、、、、ファジーやら複雑系やらいろいろ
流行はありましたが、それは初耳です。
> ねじれの位置というのは、低い次元でこのヒダヒダを見たときに感じます。ど
> こかで「つながって」いるので適切な遠回りをすると上の面に登れるはずです。
あ、なるほど、低い次元だとつながってないんですね。
そうかも。
要素技術をリストアップして、そこに技をプロットするってことも
できそうな気がしてきました。
投稿者 西村 : 2006年06月01日 20:43
ナランハは海外にも販売するのですね。
あの、因みにマットホール氏は何の「せんせい」
なのでしょうか?少し気になっていました。
>「伸びなかったらほかのことやってみなさい。
しばらくしてからまたやってみたら、できるように
なってたることが良くある」という話かもしれません。
良い教訓だと思います。
>いや、直交とかねじれとか、幾何学的な意味はもちろん
違いますが、いまはそういうものの定義の話をしている
というより、何となくたとえ話をしているだけなので、
あまり区別しなくてもいいかなーと。
確かにそうですね。よく分からないまま突っ込んでしまって
すみません(汗)。定義したところで現実のスキルがどうこう
なる話でも無さそうですよね。
他にも西村さんオリジナルの仮説や理論がありましたら
是非これからも紹介して下さい。とても興味があります
ので。
投稿者 ケータ : 2006年06月02日 23:12
マットホールは日本語教師です。
かなり日本語がうまいらしいです。
IJDbの日本語翻訳チームのメンバーでもありますが、
翻訳作業は何一つ進んでいません、たぶん……。
ああ、ぼくもやると言ったのに全然。
練習していくうえで、仮説みたいなものって
みんな漠然ともっていますよね。
で、かなり共通する直感にたどり着いているのだと
したら、それはそれなりに意味がありそうな
気がします。言葉になりづらい感覚ってのも
ありますけど。
投稿者 西村 : 2006年06月03日 10:52
NYはずっと雨です。外で練習できません、しくしく。
まー別にジャグリングしにきたわけではないのでいいんですが。
連続体仮説といえば普通の数学の枠組みでは真でも偽でもどーでもいいということになっていますが(つまり公理と独立)、ここではもうちょっと現実に立脚していそうです。
私は技の関係はlattice程度で十分表現できるのではないかと思っています。経路によって難易度がかわってくるので距離ははいらないでしょう。
投稿者 くろせ@NY : 2006年06月04日 12:49
くろせさん、
集合論のアレフゼロとかでいう連続体というのは、
何が連続なんでしょうね。アレフとアレフゼロが連続?
むしろ不連続体っぽいですが。違うのかしら。
イメージでツリーを描いてみました。
ほんと、深い意味ないですけど、シャワーとハーフシャワーが
近いとか、カスケードとバッククロスが直交してるとか、
何となくこんなイメージもっています。
投稿者 西村 : 2006年06月04日 22:21
本家数学での連続体仮説はアレフとアレフゼロの間の濃度があるかないかのどっちかの仮説で”真か偽か証明不可能”が証明されてます。コーエンとか誰かがやったのかな。中途半端な記憶で書いてすいません。
投稿者 ゆーた : 2006年06月04日 23:09
ゆーたさん、
アレフとアレフゼロの間にない、とすると、
それって連続というよりも、むしろ離散というイメージ
なんですよね。つまり、0と1の間には数は存在
しないといってるみたいで。連続だというためには、
なにかもっと滑らかに、いろんな濃度があっても
よさそうなのに。
くろせさんは、卒論に集合論のそのへんのテーマを
選ぼうとしたぐらいの数学出身の人らしいですから、
きっと、このへんなにか教えてくれるに
違いありません……。
投稿者 西村 : 2006年06月04日 23:35
連続体仮説の「連続体」とは実数のことをさします。
ある集合を見たときその中の要素の個数を「濃度」といいます。これは無限集合の場合にも定義されてます。
無限集合の中では自然数の集合が一番小さいです。
「連続体仮説」とは「自然数の集合の濃度より大きく、実数の集合の濃度より小さい濃度をもつ集合は存在するのか」ということです。おーざっぱにいえば「自然数より大きな個数の次の集合は実数なの?」ということです。でもって結論は「そうであってもなくてもかまわない」
証明は一冊の本になってます。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4489003390/qid%3D1149507222/249-8885865-6153114
この本は入門書なので読みはじめるのに予備知識はほとんど必要
ありませんが、読み進むには数学的根性が相当必要です。
ちなみに「一般連続体仮説」というのもあります。
投稿者 くろせ@NY : 2006年06月05日 20:37
自然数の濃度と実数の濃度の関係を云々する命題なのに
実数を連続体と呼ぶからといって、
連続体仮説とするのは、
やっぱり意味がよくわかりません。
連続体仮説という名前からは、実数の連続性を
保証するようなそんな説が想像されるんですよね。
うーん、まあ、いいんですけどw
投稿者 西村 : 2006年06月06日 00:41
まあきわめてどーでもいいはなしなんですが、連続というのは関数に関する概念です。ある空間が途切れがないとか繋がっているとか穴がないとかいうキモチは、「稠密」とか「連結」とか「完備」とかいう性質になります。実数はもちろん稠密で連結で完備です。でも「連続体」と呼ぶように歴史的経緯から「連続」をいろんなところで使っているのでなんか気持ち悪いネーミングが発生するのでしょうね。
投稿者 くろせ : 2006年06月06日 20:23
むっ、そっか!
サイトスワップはパターン空間を完備化する!
いや……、なんか違いますねw
投稿者 西村 : 2006年06月07日 01:34