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2006年06月19日

PX3はそんなにいいのか?

うはーっ、WJD2日目って、マット・ホール先生が代々木に来たんですね! 行くべきだった……。初日には目黒さんとかカレー君も来てたというし、やっぱビッグイベントは違いますね。


ジャグリングそのものではなく、ジャグラーがしゃべっているビデオをいくつか。

ひとつ目は、ヴォヴァ・ガルチェンコです。言わずと知れたトップジャグラー。クラブに関しては、ひょっとしたら“生きる伝説”のアンソニー・ガットーのレベルに追いつき、追い越すかもしれないと言われているようなスーパージャグラーです。そのヴォヴァが、「クラブはラネゲードじゃなく、PX3にしたほうがいいよ」なんて言っています。

YouTube.comというのは動画の投稿サイトです。簡単に登録・視聴できることから爆発的に利用が増えています。クリス・ブリスの動画も、ここでブレークしました。tubeはテレビを指す俗語で、「You tube.」と動詞的に使うことで、「映像を流すのはあなた」ぐらいの意味になっています。的確なネーミングも、このサイトの成功の理由っぽいです。

ヴォヴァの発言ですが、イリノイ州に住む、ふつうのジャグラーの質問に答える形で公開されました(これ)。質問は「いまラネゲードを3本もってるんだけど、もう2本買い足すべきか、それとも別のクラブを選ぶべきか。いろいろ情報は入ってくるんだけど、このへんにはジャグリングショップもないし、誰か良い点と悪い点についてコメントをください」というものです。

ヴォヴァは長々と3分以上しゃべってますが、繰り返しが多いだけで、ヴォヴァがPX3を勧めるポイントは2点。

1つは耐久性です。「オレはクラブの扱いが荒いし」なんて言って、PX3の耐久性を高く評価しています。もう1つは、PX3の開発者が、利用者の意見をよく採り入れるという点だそうです。かつてノブで気にくわない問題があったとき、ラネゲードの人たちはヴォヴァの意見を聞いてくれなかったけど、PX3の人たちなら聞き入れてくれただろうということを言ってます。

それにしても、「それを使ったからって自動的にジャグリングがうまくなるようなクラブなんてないよ。だからPX3を勧めるのも、おもに耐久性の面だね」とも言ってます。当たり前ですが、慣れの問題も指摘してて「ラネゲードに慣れてたら、PX3より投げやすいと感じる、その逆も同じ」とも言ってます。両方投げてきたヴォヴァほどの人が言うと、こういう発言って説得力がありますよね。

ヴォヴァに続いて、ルーク・バラージもPX3を絶賛しています。

ルークも耐久性をいちばんに挙げています。イギリス訛りの早口なのでディテールは聞き取れませんでしたが、ラネゲードを使っていたときには、かなりの頻度でクラブが壊れてたそうです。ノブを交換したり、テープを変えたりで、オリジナルの部分なんて最後には残っちゃいないんだ、とか。それがPX3では1年で、たった1度、小さな問題があっただけだと言っています。

ルークもヴォヴァも、激しく投げあげるジャグリングをやるし、そもそも練習時間が桁違いなので、耐久性のことを何度も口にするんでしょうね。

もう1つ、ルークはちょっと信じがたいことを言っています。柔軟にしなるPX3の構造に言及するところで、バイクのサスペンションのたとえ話を持ち出しています。PX3クラブの内部の芯棒には、従来のように木ではなく、プラスティックのような樹脂が使われています。なので、曲げに強い。というか、手で曲げれば曲がりますし、折れません。踏んでも折れないと聞いています。

このPX3の柔軟性が、バイクのサスペンションに似た役割を果たすというんです。スピードを出してカーブに突っ込んでも、サスペンションがあればボディーは持ちこたえますよね、それと同様にPX3も耐久性があるんだという話。いや、ここまでは常識的な話なんです。

にわかに信じられないのは、投げるときにクラブが一旦たわんでエネルギーをため込み、リリースの瞬間にたわんでいた芯棒が伸びて、そのバネのような反動が、ハイスローにいい影響を与える、と言っています。バイクでサスペンションの性能があがって、ジャンプ台のジャンプの飛距離が伸びたのと同じ原理だと言ってます。「個人的な感想だけどね」と言ってます。

ルークはコメントの最後で、ハッキリと明かしていますが、彼はPX3を作っている会社(?)となにやら契約関係にあるようです。ヴォヴァもそうだったと思います。ルークは正直者で、そこはちゃんと心してオレの言うことを聞いてね、とも言っています。


YouTube.comは、サンマのからくりテレビ的な一発ネタのビデオを公開する場という感じでスタートし、やがてジャグリングやX Games的な神業系動画の宝庫となり、最近は日本人の間では録画し損なったドラマをダウンロードするためのサイトみたいな感じにもなっています。著作権ぶっちぎり……。

それとは違う動きとして、YouTubeを、お互いに顔を見ながら声でコミュニケーションするための場として使う動きも増えているようです。いまネット上のやりとりは掲示板やメールが主流ですが、これがネットの未来かも知れません。クリス・ブリスネタのことで、ジェーソンはたくさんメールを受け取ったそうですが、もう一切返事をする気がないと言っています。その代わり、YouTubeで堂々と顔と名前を出して言いたい意見を言うなら、質問にも応えようといっています。

ジェーソン・ガーフィールドはWJFの立役者なわけですが、そのジェーソンに、さっそくイギリスからChiokというアマチュアジャグラーが、3ボールやコンタクトジャグリングといったWJFが無視しているジャグリングの側面について、なにやら言っています(ちゃんと聞いてないです)。Chiokは、rec.jugglingにもよくポストしている、たぶん韓国か中国系の移民か何かです。こんな顔してたのか、と、ちょっと新鮮なオドロキ。まあ、それはどうでもいい話ですが。

Chiokに対する回答で、ジェーソンが、いろいろ興味深いことを言っています。まず、WJFに自分が出場しなかったことについて、「今後また出るかもしれないし、何とも言えない」と言ってます。まだWJFのレベルに不満をもっていて、自分が出て、レベルの底上げしないといけないかも、と言ってます。特にリングのレベルが低いことを指して、「ディーツは8リングまでしかやらず、9リングはトライさえしなかった」なんて言ってます。クラブについては、すでに十分レベルが高く、限界をどんどん超えていってくれていると「ヴォヴァ、トーマス、ウェス、トビー、タカシ」と具体的に5人の名前を挙げています。桔梗君の名前が入ってます。

WJFの展望で興味深いのは、各国にブランチを作るかもと言ってることです。さらに、WJFを年に1度のイベントとかじゃなくて、年に何度かあちこちでやるようなイベントに育てたいというようなことを言ってることです。なかなか壮大な。

クリス・ブリスについては、「うまいジャグリングと下手なジャグリングの違いを見せるためにやった」と言ってます。good jugglingとbad juggling。うーむ、誰がどうやってgoodを決めるのかが問題になっているのに、いきなりこれかって感じのコメントです。みんなジャグリングを知らないんだ、オレは教育的な意味も込めてやってるとも言います。まあ、そうでしょう。しかし、みんなが「クリス・ブリスのジャグリングはすごい」と言っていることに対して、「それは事実ではない」と言い切るジェーソンは、やっぱり傲慢だとぼくは思います。なんて世間知らずなんだと思います。「お客さんが喜んだ」、それがすべてを物語っています。「おまえらがジャグリングを分かってないからだ」などというのは、負け犬の遠吠えに過ぎません。WJFが人々にジャグリングの一面を知らしめることになるとしても、クリス・ブリスのほうがいいと思う人の数は減らないでしょう。現に、ぼくがそうです。ぼくと同様に感じたジャグラーも数多いです。

WJFの目的である、人々が限界を打ち破っていくのを見たいというジェーソンの思いは、おもしろいエピソードとともに語られていました。もともと週に1度ジャグリングサークルに通っていたジェーソンは、1週間のうちに自分がどれだけ進歩できるかを見せつけるために一生懸命練習したようなところがあったそうです。次にジャグリングコンベンションに参加して、さらにレベルを上げようという気になる。ところが、そういうのもあるレベルまで来ると終わると言ってます。ジャグラーとして食っていけるようになるとか、周囲と比べてもう競争的な環境がないとなると、それ以上のレベルに行かない、ちょうどクリス・ブリスのように……。そんなこともあって、'90~'96、'97年ごろまでジェーソンはあんまりジャグリングをやってなかった時期があるそうです。

WJFは、一流の人々を集めることで、一流の人々に動機付けを与えるんだとジェーソンは言ってます。練習する意味、「オレはもう十分だ」と思っている人々に、もう1度レベルアップする理由を与えるのがWJFだ、ということでしょう。

あ、いろいろ長くなりまくったので、このへんで。

投稿者 ken : 2006年06月19日 11:04

コメント

WJD土曜に行きたかったのにゆけず、日曜はあれこれでねておりました。ともあれ残念。。

PX3は実物を投げてみて好みにあうかどうか、というクラブです。私は合いませんでした。(^^;
形あるもの壊れるのはしかたないかなと。壊れないということは、それだけ人間の方にも負担がかかっているということですし。適度な重さと強さを持った素材として木は偉大だと思います。

>WJFは、一流の人々を集めることで、一流の人々に動機付けを与えるんだとジェーソンは言ってます。

この視点は重要ですね。昨今の日本のジャグリングのレベル急上昇は、情報の(ビデオの)流通と、競い合いの成果にほかなりません。こんなもんで、と思ってしまうより、ここまで頑張った、と見せあう方が本来持っている能力の限界に近づけます。

自分の場合は本来持っている能力がそこそこなので、どちらにせよ雲の上の話ですけれど。ジェイソンもクリスも好きなので、おもしろいジャグリングを見せてもらえれば満足です。

投稿者 にしの : 2006年06月19日 23:37

PX3はハンドルが細いのがいいなーと思いましたが、うーん、
どうなんでしょ。耐久性だけの問題だとしたら、
ぼくは何でもいいかなって感じです。

「本来もってる能力」というのは、きっとまだ発揮されていませんよね。
やっぱりまだジャグリング以外のことをたくさんやってますし(笑)

投稿者 西村 : 2006年06月21日 00:28

小さな問題が1年で一度だけってありえないとおもうんですが・・・俺もpx3つかってますが、ハンドルはかなりもろいですよ、ヘンリーとラネゲードにくらべて、すぐはげます。
ポロポロと。去年のijaで見たときもヴォヴァのPX3はヘッドがぶっとんでなくなってたりしてましたが・・・。
今使用3ヶ月いってないくらいですがハンドルめちゃボロボロですよ。

投稿者 るりけっと : 2006年06月22日 07:19

うはー。そんなに痛むんですか!
ぼくは練習不足だな。

PX3は胡散臭いですね、プロモーションの仕方が。
モノは悪くないんでしょうけど。

投稿者 西村 : 2006年06月23日 00:39