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2007年10月30日
ナランハのメルマガ
みなさんナランハのメルマガ、読んでますか? 新商品の説明だけでなく、店長・繁岡さんの無駄にアツい語りが読めて楽しいですよ。
10月4日配信分を読んで驚いたんですが、ジェット・リーってリー・リン・チェイと同一人物だったんですね! ぼくは子どものころ、カンフーに憧れていて彼のファンでした。大阪市内の試写会に行ったとき、映画館で実物に会えたばかりでなく、たまたま試写会終了後に歩いていたらスチルの撮影をやっているリーに出くわしたのを覚えています。
彼は「三節棍」(さんせつこん)と呼ばれていたヌンチャクの変形を振り回して、身軽に飛び回っていたりしたのですが、ふとした拍子にその三節棍が“ビシュン”としなって彼の頬を直撃しました。情けない感じで棒をよけようとして間に合わないリーを見て、子ども心ながらに「現実ってこんなもん」と思ったものです。それでも肩を組んで写真を撮ってもらいましたけど。
2000年ごろアメリカに暮らしていたんですが、そのときジェット・リーのことや、映画を知りました。でもまさか、あのリー・リン・チェイが、ジェット・リーだとは知りませんでした。で、アメリカ人の友達に「ジェット・リーって日本では知られてないよ」と言ったのを覚えています。アメリカだとジャッキー・チェンより有名かも。
繁岡さんは25年前の1982年にリーに会ったと書いてますが、ぼくが彼の試写会に行って偶然に彼に会うことができたのも、確かそのぐらいのときです。あのころ少林寺はやったなぁ。
2007年10月28日
火吹きパフォーマー
このあいだ代々木公園の帰り、火をふくパフォーマーを見かけました。話を聞けば、オーストラリアから日本に来て5日目。貯金も予算もほとんどなく、知り合いやツテをたどって“カウチサーフィン”をしているんだとか。知り合いになった人の家に1週間とか2週間とか居候させてもらって世界中を旅するというパフォーマーでした。ベッドではなくカウチ(ソファー)に寝泊まりして歩く日々。芸は身を助けますね。
原宿駅前で着々と火の準備を進める様子を見ていて思わずぼくは忠告しました。「こんなところで火を使ったら、すぐつかまるよ。そもそも東京じゃライセンスが必要だよ」と。そうしたら余裕の表情で彼は言いました。「へぇー、昨日もここでこれやったけど、大丈夫だったよ。それに、世界中どこにいっても同じだよ、火は禁止。そんなの関係ないよ」。そういうと、さっさと火を回し始めたのでした。



まったく日本語なんてダメなのに、足を止めて集まった客を楽しませて、さっとお金を集めてすぐに店じまい。手慣れたもんだなと思いました。火の扱いもうまいし、スタッフやポイのキレがいい。
20歳までシェフをやっていて、ふとしたきっかけでサーカスに転身。以来、14年ほどファイアーパフォーマンスで旅してるという話でした。スペインにある世界最大のクラブで、1万4000人の観衆を前にやったこともあるんだとか。
原宿駅前でパスタを食いながら、いろいろと話を聞いてみました。ベジタリアンで占い師。実家は土地持ちで兄弟でいずれ相続することになるとか。土地はかなり広い、という。「広い」というのが日本人の感覚で分かるようなサイズではないらしく、シドニー郊外の「広野」を所有しているような感じらしい。それで30歳を超えて貯金がゼロでも余裕があるのかもな、と思いました。「東京は初めて。パフォーマンスは、どこでやればいい? 今週末の目標額は6万円だったんだけど、今のところまったく話にならないね」。
背が低く小太り。すでに髪も薄くなりはじめていてイケメンとはほど遠いのに、火を扱っていると、なかなかに男前。ノリがよく、代々木公園で知り合ったポイを回す女の子たちに、ちゃっかり電話番号を聞いていました。
ちょっと身の回りにいないタイプで、不思議なやつでした。占いはシャレかと思ったら、どうも自分自身が信じているらしい感じ。ベジタリアンになったのは前の彼女の影響だけど、肉を食べないほうが精神が研ぎ澄まされて「声」がよく聞こえるというんです。
ぼくは占いのようなオカルトは一切信じないし、有害無益で撲滅すべきとまで思っていますが、何だか彼にはそういう次元を超越した不思議な人間的な魅力があったのでした。後からもらったメールを見ても、酷いスペリングで、いわゆる教養があるタイプではなさそうですが、ちゃんと人と向き合っている感じが伝わってくる誠実な文面でした。表層的な愛想は言わないで、ぐぐぐっと迫ってくる感じです。
“ストリートワイズ”に長けているという印象です。どうやって生きていくか、どうやって人と接すればいいかに関して、かなり深い洞察と、ある種の確信を持っているようでした。草の根活動的なところから、SIMカード販売の携帯電話ビジネスの会社を友達と興そうとしていたりもして、たくましいもんです。
「火を使うと捕まる」だなんて、やったこともないくせに忠告するなんて頭でっかちな話ですよ。彼は火の扱いをサーカスで叩き込まれたし、人の楽しませ方も知っている。捕まるかもしれないけど、さっとやれば捕まらない。捕まったって、それで何だって話です。また場所を変えてやればいいだけ。そういう、文字通りストリートを生き抜く知恵が、彼にはある気がしました。
フーテンの寅みたいだな、と思ったのでした。
このブログを読んでいる若い人は見たことがないかもしれませんが、渥美清演じる“寅さん”は「男はつらいよ」という長く続いたシリーズ映画の主人公です。テキ屋稼業の風采の上がらない四十男で(実際にはシリーズの最後のほうは60歳を超えてた)、その時々でゲスト出演する女優に悲しい振られ方をして、最後は東京・柴又のダンゴ屋を後にして旅に出るというパターンの映画です。
毎回どう見ても釣り合わない“マドンナ”に惚れて、実際とても仲良くなる。相談になんか乗ったりする。しかし、最後にはいつも恋の相談に乗ることになり、あっけなく「自分など眼中になかったのだ」ということを知らされてしまう。しかし寅さんは、信頼して相談された手前、まさか自分が恋をしていたなどということはおくびにも出せない。ただ、映画を見ている人には、寅さんの失意が痛いほど分かる、というような映画です。

東京・柴又の寅さんの銅像の前で
寅さんには学がないし、どうも、いつもどこか抜けている。つい感情的になって喧嘩もしょっちゅう。だけど、いつも弁舌爽やかで筋も通っている。ある種の揺るぎない人生哲学を持っていて、時々いいことを言う。自分に対しても他人に対しても、表裏がない。ブサメンだけど愛すべき男です。
寅さんシリーズが日本のお父さんたちにウケたのは(ぼくも大好きだった)、会社勤めのサラリーマンが、寅さんのような自由な生き方に憧れたからだと思います。高度経済成長を支えた「モーレツ社員」と呼ばれたような会社員たちです(年金問題のことを思うと、「支えた」とだけ言う気にも、もはやなれませんが)。
大学は出た。会社に入り、結婚もして安定した生活をしている。でも平凡な人生。ストレスも多いし、生きていく上で必要な嘘や建前が増えていけば、やがて狡猾にもなっていく。ちょうど核家族化が進んだ時代で、田舎から都会に出てきた人たちは、みんな人間的なつながりを失いました。下町暮らしで、近隣の人々みんなと顔見知りの寅さん、誰にでも軽口を叩きながら挨拶できる寅さんに憧れるわけです。
旅を終えて育て親のダンゴ屋に戻ると寅さんは、いつも喧嘩ばかりしていて周囲にも迷惑をかけたりするのだけど、周囲はそんな寅さんを愛してやまない。感情がぶつかり合っても、実に人間らしいやりとりにあふれています。
世のサラリーマンたちは寅さんの姿に、「オレもネクタイなんかはずして、人間として自由に生きてみたい」という思いを仮託したのでした。現実には寅さんのようになるのは無理だし、所詮寅さんは映画のなかの人だと、みんな分かっています。
旅先でご飯を食べるのに必要なお金だけ稼いで生きていく自由気ままなパフォーマーの姿に、ぼくは寅さんのような何かを見たのでした。
7531(ボールジャグリング入門)
「7531」は4ボールのサイトスワップのうちでも、比較的簡単なパターンの1つです。4ボールのファウンテンから1つを高くクロスで投げて、その下で3ボールの531を素早く投げて、再びファウンテンに戻ります。
高さの比は7531=16:8:4:1ぐらいと思ってください。特に7と5に高さのメリハリを付けるのがポイントです。7531は531に1個ボールを足した拡張と考えることができます。7531にさらに1個足すと97531という5個のパターンになります。
97531の次は6個のb97531です。bは11を表します。
7441(ボールジャグリング入門)
「7441」は4ボールのサイトスワップのうちでも、もっとも簡単なパターンの1つです。4ボールのファウンテンから1つを高くクロスで投げて、その下で3ボールの441を素早く投げて、再びファウンテンに戻ります。
ポイントは7を高く高く投げることです。特に最初のうちは高すぎるぐらいでもいいかもしれません。慣れてくると、ちょうどいい高さも分かるようになります。
7441のほかに4ボールのサイトスワップで7が含まれるものには「7531」「7333」「741」「714」などが有名ですが、7441がいちばん簡単だと思います。
7441は連続で「74417441」と投げることもできます。この場合、右手で7を投げたら、次の7もまた右手になり左右非対称になります。
7441の後に1投だけ4(ふつうのファウンテンの投げ方)を投げて、続けて7441を投げると、1回ずつ左右が入れ替わるパターンになります。「7441-4-7441-4……」という感じです。
2007年10月26日
Falcoの超高速ジャグリングはすごい
いくつかJJF関係のエントリーで本文の訂正・修正をしているので、再度書いておきます。
- 個人部門チャンピオンは「幡」さんではなく秦(はた)さんでした。最初間違えていて修正後も間違いが残っていました。ごめんなさい。
- 7ボールも楽々の「師匠」こと大西さんは22歳ではなく19歳でした。いや、どうみてもティーンエージャーでしたよ、そういえば!
- 「ガンコマン」は「がんこマン」と前半はひらがな表記が正解です。ドラえもんと逆ですね。がんこマンは酒井君ではなく酒田君でした。
- JJFのステージで5クラブバッククロスをやったのは石川さんが初めてではなく、少なくとも2004年に佐藤信春さんがやったそうです。
JJF審査の具体的な内容についてはオオツカさんに丁寧なコメントを頂きましたのでご覧ください。
先週代々木公園に行ったら、さんたまの映像をデジカメに入れたまま持ってた人がいたので見せてもらいました。ぱさーじゅのシャワー少年、いちかわさんがすさまじく進化しててビックリしました。かなりのハイスローを足でキャッチとか、オリジナル技も炸裂。
しげぞーさんのも見ました。セバさんフォロワーの若手ホープですが、もはやセバさん、これは出藍の誉れと慶賀すべきことではありますまいか。
三玉王はマサキ様。三連覇だそうです。1回目に勝ったときに見た覚えがあります。そのときと比べると、スピードや技のバリエーションも進化しているように思いましたが、何よりも安定感の上がり方が半端ない。プロっぽいなと思いました。
デジカメの動画撮影って便利ですね。デジカメが登場して何が変わったかって、「ほら、この写真」と写真を他人に見せるデバイスとなったことですよね。それが動画であまり起こってなかったのは、性能面の問題ではなくて、使ってる側の使い方の問題で、それは主に先入観という心理的な問題なんだろうなと思いました。もっと動画をとっていろんな人に「オフラインで」見せるといいことがあるかもしれませんね。さっと撮って、さっと見せるぐらいのもの。
そうそう、ジャグリング王子がIJA2007の思い出をまとめた映像を作っています。途中にちょっとだけウクライナ出身のアレクサンダーという17歳のゲストジャグラーが写っているそうです。10ボールマルチやってます。
10マルチはリズムからすると[55]かな? いや、そんなの無理か。どんなマルチか調べようとして久しぶりにサイトスワップジェネレータを起動してみました。起動してからマルチが扱えないことに気づきました。で、ついにで10ボールのサイトスワップをいろいろ見てたんですが、10個のサイトスワップってすごいですね(当たり前)。
マーカス・ファートナーがYouTubeにアップロードしているので、たぶんドイツ人ジャグラーだと思うんですが、Falco Schefflerという人がすごいなと最近思ってます。とにかく高速です。信じられないぐらい速い。以下の2つ、見てみてください。
ふつうのジャグラーの半分から1/3ぐらいの高さで、しかもきわめて正確にキビキビと投げてますよね。4ミルズ、5ミルズとか何かが狂ってますよ。こういうの好きだなぁ。1本目のビデオの最後のほう、4ボールボックス当たりのバリエーションも、何度見ても感動します。
初めてジャグリングを見たとき、手のなかでボールが踊ってるように見えました。でもふつうの技が自分がでもできるようになると、もうそんな風には見えません。Falcoさんのジャグリングは、そういう初めてジャグリングを見たとき衝撃を思い出させるようなボールのピョコピョコ感があります。
2007年10月21日
審査、難しいんでしょうね
皆様コメントありがとうございます。長くなったのでコメント欄ではなく、またエントリーで。
にしのさん、2001年まで観客投票があったんですね。確かに問題がありそうです。ドミノさんが言うように、都市部の人の多くは、いずれかのパフォーマーと知り合いだったり、所属サークルが同じでしょうから、組織票とまで言わなくても投票に影響を与えそうです。まだ世界が狭いというか観客が少なすぎるということでしょうか。
審査員やチャンピオンシップ担当者が、これまで試行錯誤を重ねてきただろうことは容易に想像できます。ただ、2006年と2007年を比べると、必ずしもノウハウが蓄積・継承されてないのかなという感じを受けたのです。
そういう印象を受けたのは中嶋さんの話があったからということのほかに、今回初めて行われたビデオ審査による予選で何が起こったのか、予選参加者にもそのほかの人にもよく分からなかったからです(本選と予選は別物ですが……)。
ぶっつけ本番ならいざ知らず、何度か撮影した中でベストのルーチン演技を提出できるビデオ審査で、桔梗兄弟が二人とも予選オチというのは、よく分からない事態です。聞いたわけではないですが、本人たちも予想外だったのじゃないかという気がします。
あの飯島君も予選オチ。
彼らの実力を知る参加者は、これらの事実から強いメッセージを受け取ったはずです。「技術があってもダメなこともある」。
当たり前かもしれませんが、じゃあ、いったい何が欠けていたのか? そもそも何を求められていたのかを、予選応募者は理解していたのか?
そこが何とも不透明な感じがして、ゲスの勘ぐりかもしれませんが、ぼくはこう思いました。予選審査では、クラブやボールの伝統的な技術系は13枠のうち2、3枠が割り当てられるだけで、むしろ審査では、無意識か意識的かは別にして13枠をトータルで見たときの新規性や多様性を、優先させたのじゃないかということです。桔梗兄弟が不利なのは、みんなあまりにも彼らを見慣れてしまっていることです。
こういうことはあちこちで起こっていることかなと思います。超実力派のディアボロ勢が10人台湾からやってきても、ステージをディアボロだけで埋め尽くすわけにはいきません。チャンピオンシップが全体としてバラエティを保ち、盛り上がることも大切なことです。だから、似たような方向性のルーチンが2つあったら、実力とは違うところで二者択一の圧力がかかるということはあってもしょうがない。これは予選でも起こる現象でしょうし、本選でのメダルについては、もっと強くかかる圧力かなと思います。
しかし、チャンピオンシップにかけてがんばってきた人からすれば、ほかのパフォーマーが何をしようと、そういうこととは関係なく、自分のパフォーマンスを評価してほしいと考えるでしょう。もし本当に公平さを求めるなら、13枠のうち10枠を10人の台湾人に与えることだって場合によってはしないといけない。
公平さと、ステージ全体としての構成のバランスを取るのは難しいことでしょう。
そんなこともあって、予選にしろ本選にしろ、あまり審査を透明にしすぎるのも弊害があると思います……。いろいろな要素を考えた上で、経験を積んだ審査員が協議して決めるのがいいとは思います。
で、無理矢理まとめます。
世の中、ある方針が絶対的に正解だということは少なくて、Aという方針とBという方針の間に「ちょうどいいバランス」というのがあるものだと、ぼくは思っています。そのAとBはたいてい矛盾する180度反対の方針です。
そういうことで言えば、JJFチャンピオンシップの審査にまつわるバランスの軸は3つほどあるのかなと思います。
- 客観評価と主観評価のバランス
- 個別評価と全体構成のバランス
- 評価の透明性と密室性のバランス
これらのバランスをどう保っていくのかということかな、と……。JJF2007は、どうだったでしょうか。少し透明性を上げても良かったのじゃないかな、というのがぼくの意見です。特に予選については。
審査の話はこれぐらいにします。ぼくはパフォーマンスにはあまり興味がないほうだし、ステージの経験もないので、こんなこと偉そうに言える立場にもありません。こんなことを書いたのは、予選オチして悄然としているジャグラーたちを見ていてやりきれない気持ちを共有してしまったからです。審査というものの難しさを感じたので、JJF参加者の1人として、思うところをあれこれ書いてみました。
あ、付け加えておきます。今回のJJFチャンピオンシップはステージ全体として大成功だったと思いますし、個人、チームとも1位、2位は同意できるものでした。3位と特別賞あたりは別の選択もあったのかなと思いますが、それはまあ個人個人でいろいろ好みなんかもあって意見の分かれるところでしょうね。
書き終わって気づきましたが、ぼくが言ってる不透明性の違和感は、むしろ予選のほうだけかもしれません。混同したまま書いてしまった……。
2007年10月19日
JJFとは何なのか?
コメント欄で、すえきちさんに「今回のチャンピオンシップでの順位付けの基準には、どういう要素が、どのように評価されていたように感じられますか?」との質問をいただきました。最初にチャンピオンシップのエントリーを書いたときに、まさにそのへんのことを書こうかどうしようか迷って書かなかったのですが、質問に答える形で、今回の審査について少し気になった点を書いておきたいと思います。
ナランハの(というか日本ジャグリング界の中興の祖である)中嶋さんが、今回のJJFチャンピオンシップの審査委員長でした。メダルの授与が終わった後、その中嶋さんがビミョーな総評を行いました。
ぼくの印象では、中嶋さんは、突然マイクを振られて戸惑っている風でした。だから何を話すのかをあらかじめ考える時間的余裕がなく、ちょっと口を滑らせたのじゃないかと思うんですね。
中嶋さんの話の要点はこうです。事前の打診がなく、中嶋さんは突然当日になってからチャンピオンシップの審査委員長を務めることになった。ところが、どうやって審査するかが決まっていない。演技が終わってみて、さあ審査というときに「どうやってこの場の議論、審査員の意見をまとめるんだ」と思ったと言います。
ぼくの記憶が確かなら、中嶋さんは、こんなことも言いました。「観客のみなさまの中にも、ステージに立った人にも、ステージに立てなかった人の中にも、今回の順位に納得のいかない面もあるかもしれません」。そして、「でも結局のところ、一番観客の拍手が多かった人が選ばれたのかなと思います」と締めくくりました。
急にマイクを振られたのだとしたら、うまく話はまとっていました。しかし、ドタバタした舞台裏が見えるような微妙なスピーチであったとも思います。中嶋さんの話を聞いたぼくは、審査体制が準備不足だったのじゃないかという印象を持ちました。
中嶋さんの話から窺えたのは、今回の審査が客観評価というよりも、主観評価だったのではなかということです。
もちろん、どんな審査でも審査員個人個人の主観によりますから、主観評価です。でも、だからこそ、ある程度は客観的な評価軸をいくつか決めて、点数制などの基準を作り、できる限り客観的な尺度を取り入れるべきではないかと思います。完全な主観だけだと、ある審査員は技を中心に評価するかもしれないし、ある人は衣装まで含めて決めるかもしれません。だから、誰に聞かれても順位の説明ができる透明性と公平さがないと、ステージに立つために1年とかそれ以上の期間をかけて努力してきた人々が報われません。
客観的な数字の裏付けがあれば、審査員が首を突き合わせて協議するにしても議論のベースとなるものが共有できます。
改めてジャグリング協会のページを見てみると、「審査は技術とパフォーマンスを基準とするが、その配分などは審査委員に一任する」ということと、「審査委員長を議長として最終の協議を行ない、審査委員の総意を審査委員長がまとめ、受賞者を決定する」ということが書かれています。議論が紛糾する可能性を考えると、ちょっと心許ない規程ですし、不透明感が残ります。
人間には錯覚があります。ぼくもこれでも一応私企業に勤めるサラリーマンなので、そういう研修を受けたこともあるのですが、人の評価をするときに難しいのは、心理的、主観的なバイアスの数々をどう排除して透明性を上げるかです。他人を評価しようというときには、無意識のうちに、いろいろな要素が評価に影響します。例えば、人間は直近のできごとほどよく覚えているので、本当は半年間の業績評価をしているはずなのに、「あいつの先月のあれ、いい仕事だったな」などと時間的に近い仕事を評価しやすい傾向があります。何か飛び抜けた評価ポイントがあると、ほかの評価軸でもそれにつられてしまいがち、ということもあります。ほかにも同様の錯覚がいくつかあって、客観評価には注意すべきことが多くあります。
錯覚の数々に自覚的であることと、数値など客観的な指標をできるだけ使うことがポイントです。それが世間でいうところの「厳正な審査」だと、ぼくは思います。
拍手が多い人が勝つというのは民主的ですし、ある意味納得できるものです。でも、それならば最初から選任された審査員ではなく、観客の投票で順位を決めてもいいわけですよね。でも、投票だと印象がすべてになってしまう面が強い。それが日本ジャグリング協会のチャンピオンを決める方法として妥当かというと、どうもそんな気がしません。
これまでのJJFはどうだったんでしょうか。少なくとも2006年の東京のときには、技術点、衣装点など数種類の評価軸あって、それぞれの審査員がすべての評価軸で点数をつけていたと思います。
客観評価といえばWJF(ワールド・ジャグリング・フェデレーション)です。ジャグリングを、ほかのスポーツ(主に器械体操だと思いますが)同様に、パフォーマンスではなく、技術で評価しようという理念に基づいて、細かに点数評価制度を作っています。技の難易度、技の連続性、ドロップの数、ボディーバランスの乱れなど、すべて数字にします。
その結果何が起こったかといと、高得点を目指した演技が勝っちゃったり、あるいは「誰が見てもディーツのほうが上だった」というクラブの競技で、ドロップしまくりで本人すら落ち込んでいたヴォヴァが数字の上では勝ってしまった、などという本末転倒です。
だから、数字の客観評価は客観評価として、最後は協議による審査員の主観のぶつかり合いがないとダメだと思います。「数字とかじゃないんだ、あいつが一番だ」という直観は大事です。そういう感性は、数字には置き換えづらいのだと思います。
日本ジャグリング協会は、どういうパフォーマンスをするジャグラーが日本チャンピオンにふさわしいと考えるのか、という根本理念が、まず最初にないと、そもそも審査基準は作れません。ジャグリングの普及や、ジャグラーの交流、ジャグリングレベルの底上げ、いろいろと掲げるべき目標はあるでしょう。
EJCのように順位をつけないというのも1つの見識ですが、日本では時期尚早だと思います。ヨーロッパはジャグリング文化が広く普及していますが、日本はまだまだこれから。JJFチャンピオンシップは「ジャグリング日本一」の称号を与えるプロジャグラーの登竜門としての存在意義も大きいはずです。日本ジャグリング協会は、そういう称号を与える正統な機関として充分に機能しつつあるし、今後もするべきだと思います。
JJFとは何なのでしょうね。
中嶋さんが日本ジャグリング協会設立にあたって書いた「設立主旨書」(http://www.juggling.jp/aboutus/establish.html )を改めて読むと、いま協会は曲がり角に差し掛かっているのかなという気がします。フェスティバルを開催して発表の場を提供するという基本的なところは、もう充分できています。今は「どういう場とするのか」が問われているのかな、と。
今までは年々激しい技術向上があったために、何だかんだ言って技術力で驚かせた人が入賞というシンプルな話で済んだ面があるんじゃないでしょうか。そういう段階を越えてきつつあるとするなら、JJFとは何なのかということは、もう少し議論があってもいいのかもしれませんよね。これは「ジャグリングとは何なのか」という大きなテーマとも通底していて、IJAでも結論が出ていないものだとは思いますけど。みなさん、どう思います?
2007年10月11日
チャンピオンシップ感想続編
えーと、チャンピオンシップの雑感など……。なんか書くペースが遅いですね。うーむ。
チャンピオンシップの全体に言えることですが、主従関係でいえばジャグリングが「従」になったステージが多くなったように思いました。今回のJJFチャンピオンシップの入賞者は、どれもステージパフォーマンスとしての完成度が非常に高かったように思います。もう技術だけでどうこうなるレベルじゃないのかも。
今回の出場者のなかで、比較的技術指向が強かったのは激しいナンバーズ系のボールジャグリングをやったガンコマン(酒田くん)や、クラブジャグリングの石川さん(京大ドーナツのM2?)でしょうか。石川さんは、おそらくJJF史上初じゃないかと思いますが、ステージ上で5クラブバッククロスやアルバートをやったり、アルバートとトレブラを連続で混ぜる「6ウェイ」(でしたっけ?)など信じられないような高度な技を繰り出しました(追記:2004年のJJFで、すでに佐藤信春さんが5クラブバッククロスをステージで投げたそうです)。ガンコマンも石川さんもドロップがやや多かったので入選を逃したのかなと思います。逆に、技術系でチャンピオンシップに臨むなら、思いきり高い技術レベルでドロップを抑えないといけないわけで、これはもうとんでもなくハードルが高いですね。

かなり激しいナンバーズの実力派、ガンコマン。ちょっと衣装がWJF系かしら!?

衣装、表情、ポーズとも決まってます、石川さん。技がえぐい。ドロップが目立ったのが惜しい
そのほかツボにはまったパフォーマンスの感想を順不同で。
ディアボロのファキラ(深河)さん。エクスカリバーっていうんでしたっけ、水平に回すやつ。あれで、いきなり首の後ろを回したり、自分も回ったりで、なんだかすごいことになりました。あの一連の技のときは会場から大歓声があがっていました。座ったまま正面を向いて、笑って3ディアをやるとか、技術力もすごい。体育館の練習ではハイトスで4個のディアを操っていました。個人的には入選にもっとも近かった1人じゃないかと思います。

ファキラ(深河)さん。体育館では4ディアまでやっていました。すごい技術力
エリック(寺尾)さん。ショーン・マッキニーと、cocoaさんの匂いが感じられるパワフルなボールジャグリングでした。4ボールシンクロ2アップ、2個同時に足の下とか、かなりショーンっぽくてよかったです。2年ぐらい前によくブログを見ていて、密かにライバル視してたんですが、あっという間に回転数でいうと数万回の差が付いた模様です(笑) エリックさんは、もう大学の4回生で「今回のチャンピオンシップはいい思い出になった」と爽やかに笑っていました。

どことなくcocoaさんの匂いがするエリック(寺尾)さん
目黒さん。3本の棒をヒトデのような放射状にして結びつけた不思議なオリジナル道具によるパフォーマンスでした。マニピュレーションにありがちな、「こんなアイデアを思いつきました」というレベルを越えて、見るからに難易度が高そうな技や、高速な手の動きでスパパパッと棒をさばくような技に目を見張りました。ジャグリングの基礎力のたまものなのか、練習の成果か、天性のものか、それはぼくにはわかりませんが、ちょっとやそっとでできることじゃないなという感じを受けました。動きの表現としても、その道具じゃないとできないというようなもの、あるいは視覚的にコミカルなものを混ぜていたのがいいなと思いました。具体的にいうと、例えば3本の棒の1本の先端を持ち、残りの2本を床につけて、「歩かせる」ような動きです。舞台から退場するときに、まるで小さな子どもの手を引いて連れていくような感じが、とても印象的でした。目黒さんのパフォーマンスも、個人的には入賞してもおかしくなかったと思いました。

目黒さんの、ちょっと不思議な道具のマニピュレーション
今年のチャンピオンシップ個人部門には39人が予選に応募して、ビデオ審査で13人に絞られたそうです。競争率3倍というのは前代未聞でしょう。個人として出た桔梗兄弟や、個人的にはいちばん楽しみにしていた潮木ゆーたさんが予選落ちというのも驚きでした。
2007年10月10日
JJF静岡の会場で出会ったジャグラーたち
JJFの話、あれもこれも書くつもりだったのが、すっかり遅くなってしまった……。時間が経つほど忘れていきます。こうなったら、もう去年と同じく箇条書き的に思いつくまま。
佐藤信春さん。体育館でジェイ・ギリガンや青木くんと技を見せあっていたのですが、ぼくは佐藤さんの3ボールに衝撃を受けました。ありえない動き、考えもしなかった斬新なアイデア、すごすぎます。掲載許可をもらってビデオを撮ったので、近いうちにここに載せますが、ジェイが舌を巻くはずだと思いました。佐藤さんに「でも、こんなにオリジナルのを出しちゃうと真似されるんじゃないですか?」と聞いたら、「まあ、それならそれで、また新しい技を考えなきゃいけないってことですよね」とさらっと言いのけました。かっこいいこと言うなぁ。
佐藤さんはあまりネット上に露出がなく、知る人ぞ知るという感じの人です(古くからジャグリングをやっている人なら誰でも知ってるのかな?) 九州在住で、DVD「匠」ではナンバーズやクラブもやっています。8年前にジャグリングに出会って今は25歳。仕事を始めたので最近はなかなか練習時間が取れないと、帰りにご一緒したタクシーで話していました。
佐藤さんは3ボールで知られてると思いますが、その一方7クラブとか5クラブバッククロスだとかも練習しているというすご腕です。「オリジナルとか3ボールをやるとしても、やっぱりナンバーズもやらないと。7クラブもやりますよ」と言ってました。これはジェイも同じことを言ったな。いろいろやって「ボキャブラリーを増やす」というようなことです。ボキャブラリーに振り回されるようじゃいけないけど、詩人はたくさんのボキャブラリーの中からぴったりと適した表現を選ぶんだと。

佐藤信春さん。3ボールのオリジナルがえぐいし、ナンバーズもサイトスワップもクラブもえぐい

佐藤さんの技の数々に舌を巻くジェイ・ギリガン
そうそう、佐藤さんの話で、ひとつおもしろいなと思ったことがありました。佐藤さんはゲストのエリック・アベリのことを「正直、よく知らなかった」というんですね。ところがサインを求めたところ、ちゃんとNobuharuと書いてくれた。これって象徴的な話だなと思うんです。今までなら、日本のジャグラーが一方的に海外ジャグラーを知っている状態だったようなところ、今では逆に日本人ジャグラーが海外で知られているケースもある、ということです。やっぱりDVDとかYouTubeとか見えるところに映像を置くと、見る人はみんな見てるんですね。
エリック・アベリは「日本のビデオは全部みてる。日本語のWebサイトもカンでクリックして、変なページ開いちゃったりね」と笑ってました。これは半分はリップサービスで、すかさずジェイ・ギリガンが「おまえは日本だけじゃなくて、あらゆるジャグリングの映像をみてるじゃん」と突っ込んでいましたけどね。
「ししょう」と呼ばれてる神戸のジャグラー、大西さんも、見た目は地味な感じですが、すごい人でした。趣味ジャグラーの典型という感じで、人に見せるとかパフォーマンスするとか、そういうことには興味がないジャグ歴4年半(?)の19才。
大西さんは7ボールが300キャッチちょいとか。最近はすっかり麻痺してしまいましたが、7ボール300キャッチってすごいですよね。JJFの会場では、本当にあちこちで7ボールを練習している人がいました。JJF2005大阪のとき、4ボールミルズと7ボールカスケードの練習がふつうになったといって、みんな驚いていたような記憶があるのですが、そのときには7ボールはせいぜいフラッシュからジャグルという程度の人が多かった気がします。今年のJJFではふつうに60から100キャッチ程度は続く人がざらにいたような感じです。

「ししょう」と呼ばれている大西さん。神戸、大阪あたりではかなり知られたすご腕らしいです
7ボールを投げている人がたくさんいたなかでも、森田くんだけは別格かもなと、軌道を見ていて思いました。2 年ぐらい前に聞いたとき、7ボールの記録は900キャッチ後半だった気がしますが、そういえば最近はどうなんだろうか。ピルエットのほうは、3ボール3アップの5回転が「できそうでできない」なんて言っていました。森田君の動画も、近々アップします。

相変わらず激しく投げて激しく回っていた森田くん。ちょっといつもと違うアングルで7ボールを撮影
かっくん&ためさんの、親子ジャグラーコンビにお会いできました(ためさんのブログ)。ためさんは、来年の神戸JJF2008の実行委員長になるほど、このところジャグリングにのめり込んでいるジャグリングおやじ。あ、失礼、ぼくと1歳違いなので「おやじ」呼ばわりはないですね。え、2人ともおやじ? えぇえぇ……(泣)

神戸の親子ジャグラー「ためさん」(右)は、来年のJJF実行委員長です。静岡JJF実行委員長の米屋さん(左)とバトンタッチって感じで記念撮影
で、ためさんは10才になるかっくんと2人で仲良く上達競争を続けてきていて、ブログと動画をちらちら見ていた感じでは、ある時期までは、そんなに実力は変わらなかったような気がしていまいた。5ボールの記録の伸びも、さほど差がない感じでした。それは、ためさんが頑張りすぎおやじなのじゃないかという疑惑もあったわけですけど。だって、ふつう5ボールを何時間も投げたりします? 1000キャッチを目標にしたり? あ、ぼくもかつてそうでしたけどね(笑)
5ボールエンデュランスで、ためさんに負けたのはちょっとショックです。いくらなんでも「いきなり投げても300〜400キャッチは軽い」というぼくのほうが、まだ5ボールは続くと思っていたんですが、思いきり負けました。それで最近またちょっとカスケードの練習をしたりしています。
そうそう、大西さんがひとつ興味深いことを言ってました。「5ボールは3ボールとまったく同じように投げれば、ぜんぜん疲れませんよ」ということです。そらとぼけたような関西弁で淡々と話す大西さんです(笑)。そんなことを言われてもなぁ……。それでハイわかりましたと言って投げられたら誰も苦労しないわけです(笑)。しかし、少なくとも、「まったく疲れない」と言ってるジャグラーが、5ボールカスケードをどう感じているかを端的に示した言葉だと思いました。ぼくはゆるゆるとそういう境地を目指しますよ。
まったく疲れないといえば、今年の5ボールカスケードエンデュランスで1位になった大野さんの記録は1時間8秒でしたが、1時間半はいけるなと思ったと言ってました。2時間ぐらいが体力的限界かもしれないとも。むむむ。ちなみに、大野さんはJJF2006個人部門チャンピオンで、去年の5ボールエンデュランスでも33分の記録で勝っています。大野さん、大学を出たらプロになるそうです。
閑話休題。ためさん&かっくんの親子ジャグラーコンビの話です。やっぱり、すごいのはかっくんです。見ていると、それほどジャグリング中毒とか、ジャグリング大好きというほど熱中しているように見えないんですね。疲れたら、体育館のはじっこのほうで休んでいたりして。よほどお父さんのほうが熱心という気がします。
それでも、かっくんの伸びはすごい。JJFの会場で、ちょろちょろやってるだけで、「さっきな、6ボールで57キャッチ出てん! まぐれやねん」とか「5ボール5アップピルエットできた! ほんまやで、見ててや……、ほらっ、ほらっ、ほらっほらっ」とか、みるみるまに自己記録や初成功を出し、初めて成功したかと思えば、何度も繰り返し成功させたりしていました。ぼくが知っていた範囲では、ついこの間まで5ボール3 アップの成功率があがらないというレベル、6ボールも30キャッチ前後がやっとという感じだったはずなのに、いきなり伸びてるがな……、という感じでした。97531も初成功したかと思えば、何度か成功させたりしていました。成功率がそれほど高くない場合でも、常に惜しい感じの失敗が続き、動き自体が安定した感じがするのは、一体なんだろうなと。
これが10才の伸びかと、あまりの習得のリズムの違いに愕然としました。

超伸び盛りの、ちびっこジャグラーホープ、かっくん
大阪大学ジャグリングサークル、パティオからきたファンキーなジャグラーたちも印象に残りました。むむむっ、せっかく聞いたのに名前を忘れてしまいました、ごめんなさい(すぐに書かないとダメですね)。サッカーボールを投げたり、激しいボディースローを投げたり、はたまたフライパンを操ったりするジャグラーたちでした。

関西系のゆかいなジャグラーたち。ボディースローはふつうにすごくて、フライパンミルズメスやファウンテンは奇妙にすごくて、サッカーボールジャグリングはゆかいにすごい感じでした
あ、大阪といえば(京都かな?)、ミス・サリバンさんも来ていました。クルマのCMでテレビに出ている、あの女性ジャグラーです。テレビに出たことで、いろいろ言われるんじゃないですかと聞いてみたら、案外そうでもないんだとか。「ママ」という役回り上、髪をママっぽくしていたので、知合いもそうじゃない人も、気づかないんだとか。そんなもんなんでしょうか。
あと、会場で気になった人といえば、マラバリ1年生の飯島くんです。大学生ですが、最初にあったときの印象で、いまだに「スーパー高校生」という気がします。で、飯島くんはクラブがすごい。6クラブファウンテンがかなりきれいに続いていました(これも後で動画で)。ふつうに30〜40キャッチぐらい投げて、ちゃんとクリーンに終わるような練習をしていました。最高記録は60キャッチぐらいと言ったかな? あいや、いま記録簿を見たら70キャッチとありました。トリプルスピンですね。うはー。飯島くんの練習を見ていた森田くんは「彼は練習効率がいいですよ」と褒めていました。まだまだ伸びそうで、恐ろしいです。
2007年10月02日
JJF2007、ペア部門
せっかく書いたチャンピオンシップペア部門のブログエントリが消えてしまいました……。熱暴走という今どき信じられないフリーズが繰り返し起こってファイルが消えました。やばいです、だんだん時間が空いて記憶が……。間違いがあったら指摘していただけるとうれしいです。
気を取り直して、チャンピオンシップのペア部門です。
1位は桔梗兄弟によるクラブパッシングでした。安定感、演出、技量のどれをとっても文句なしの実力派です。10 クラブ(たぶん)まで投げました。ぼくはパッシングをしない非パサーだからか、パサーとは違う感想をもったようです。パサーくったんによれば、桔梗兄弟のパッシングは、何もそこまで難しくしなくてもいいのではという「ありえないほど難しい」ものだったそうです。「オレ、ひとりで叫びまくってましたよ」とか。うーん、ぼくにはクラブの本数はだいたい数えられても、どれが難しいパターンだったのかとか、よくわかりません。サイトスワッパーにしかわからない複雑なサイトスワップみたいなもんでしょうか(違う?)。ぼくがいいなと思ったのは、肩の上に乗って上下でパスするサーカス的なトリックだったりしますが、やっぱりこれって素人っぽい感想なのだろうか……。
桔梗兄弟の安定した演技
2位の目黒家は目黒さん、のぼ(松田昇)さん、ジャグリング王子の3人によるパフォーマンスでした。あ、念のため、ジャグリング王子というのは、Senjyu= Yoshiaki=長竹くんのことです。呼び名がいろいろあるのはクールじゃないから、ジャグリング王子で統一しようよ、Yoshiakiくん(笑)
で、ジャグリング王子は不思議な役回りで、基本的に舞台袖に近いところに座っていて何かを読んでいるような感じでした。たまにボールを受け取ったりはしていましたが、あまり役なし。そのことを目黒さんに聞いたら「ボールを拾いに行く絵を作りたくなかったんですよね」とのこと。なるほど、確かにシリコンボールをたくさん使ったバウンスボールが入るジャグリングでは、ボールが散り散りになって見苦しいシーンが生じがちですよね。
目黒さんとのぼさんといえば、日本のバウンスジャグリングの上から2人を取り出したような人たちです。トスの腕も抜群の2人。その2人が繰り出す、バウンス、トスを組み合わせた2人にしかできないルーチンは見事でした。Wバウンスというんでしたっけ、2度バウンスさせるパターン。5ボールのバウンスパッシングでそのパターンを描きながら、2人でゆるゆるとステージ上を回転しつつ、やや距離が離れていくというのが視覚的に面白いなと思いました。2人の間でゴム紐が伸びていくような不思議な感覚がありました。
これまた呼び名がわかりませんが、1人がジャグってるパターンをスティールして、再びすぐにそのボールを戻すトリックってありますよね。5ボールリフトバウンスで、上下に並んだ2人であれをやったりというのもありました。上に立った人はひたすらリフトバウンスカスケード。下の人は落ちてくるボールをつかんで、即トス。上の人は何ごともなかったかのようにリフトバウンスを続けるという感じです。トトトトと手を素早く出して、無造作にボールを操り、ある瞬間は、完全にカスケードが床から浮かび上がっていたような気がします。すごい。
不思議なバウンスのパッシング
さて、3位はAriesです。男女ペアによるハットの演技ですが、まあ写真を見てください。そこはかとなく大人の色気が漂う2人でした。聞けば、2人でペアを組むようになって3年半。すっかり息が合っている感じです。
ペア結成当時は3年生(男)と新入生(女)。「結成3年半ですか、じゃあ、付き合って何年目ですか?」と冗談混じりに水を向けたら、一瞬、女性の方は聞こえないふりをしたような感じで微妙な空気が漂いました。男性のほうはパートナーの答えや反応を盗み見てから出方を考えたのか、0.5秒ほど間を置いて「いや、それはこれから期待ってことで、はっはっは」と答えました。男は悲しい生き物ですね。
いやいや、2人は結構いい雰囲気だし、うーん、あ、書けば書くほどダメですか。しかし、話を聞くまでは、ぼくは2人は学生じゃなくて、プロなのかと思っていました。もう長年ペアでやってる人たちなんだろうなって。実際には東京農工大@ジャグのM2と学部3年の2人でした。
堂々とポーズが決まってるし、「3ハットとか、飾りですから」と男性が笑うように、ジャグリングの匂いがきわめて薄く、むしろダンスパフォーマンスのようなステージだったからです。JJFという感じがしません。特別賞狙いだったそうですが、見事に3位入選です。こういうパフォーマンスが入選するようになると、JJFのステージに幅が出ていいなと思いました。まあ、あまり多様になると客観的な評価というのが難しくなってきて、いったい順位というのは何なんだという感じになってしまうのでしょうけどね。
女性のほうは、ダンスやチアリーディングをやっていて、むしろそっちの練習が忙しいんだとか。新入生でサークルに入ったとき、ジャグリングという感じでもないしなぁというので、ハットでペアを組んだのだとか。ダンスやパフォーマンスの要素が強く感じられたのも道理です。
Ariesのパフォーマンス。JJFに似つかわしくなく大人の雰囲気の2人
今回、入賞はなりませんでしが、ペア部門では「おじゃ〜ま」のステージも、ぼくはかなり良かったと思いました。ツボにはまりました。グループ名の「お」は「お笑い」、「じゃ」は「ジャグリング」、「ま」は「マジック」だそうです。JJFチャンピオンシップのパフォーマンスでは、マジックの要素はありませんでしたが(追記:いや、あったかも。リングがくっついたり離れたりするマジックとか?)、笑いはいっぱい。だんご三兄弟の音楽にあわせてリングをだんご状に並べるというコメディタッチのパフォーマンスで、会場は大いに笑いに包まれました。これまたプロなのかと思うほどの完成度と演技力です。2人とも表情がいい。実に芸達者です。JJFのステージパフォーマンスには本当に幅が出てきたんだなと思いました。細面のほうの彼がフリーパフォーマンスで見せたパフォーマンスも、そのまま人通りの多い街角にもっていけば拍手喝采、大爆笑というような、芸として完成度の高いものだと思いました。ボールジャグリングの腕も確か。細面じゃないほうの彼も、左足で2in1、右手で2in1の4ボールファウンテンを披露しました。ジャグリングも、めっちゃうまいやんか。
コミカルなおじゃ〜まのパフォーマンス